フジテレビの名作といえば「古畑任三郎」です。
古畑任三郎は、卓越した推理力と巧みな会話で犯人を追い詰めていくというストーリーが人気を集めました。
1994年の第1シーズンから1996年の第3シーズンまで放送され、その後2006年新春ドラマで完結、第1シーズンを除く平均視聴率が25%に達するなど90年台を代表するドラマと言って良いでしょう。
そんな古畑任三郎の第2シーズン初回に放送された「しゃべりすぎた男」の撮影中、ピリついた瞬間があったのです。
明石家さんまさんの一言で撮影現場に緊張が走った!
写真:YouTube
その事件は、明石家さんまさんの「はい、NG出しましたねぇ、あやらまないといけませんね」という一言が発端でした。
その後、古畑任三郎役の田村正和さんが楽屋に帰ってしまい撮影現場にピリピリとした空気が流れてしまったのです。
なぜ明石家さんまさんは、そのような発言をしたのか、気になりますね。
それは、NGをだしまくる明石家さんまさんに対して田村正和さんが怒ってしまい「次やったら、僕は帰りますよ」と言ってしまったからです。
明石家さんまさんは、セリフ覚えが悪く何度もNGを出していましたが、あまりに多発するため田村さんのいら立ちがたまってしまったんです。確かに1度や2度のNGなら笑ってごまかしたり、ごめんなさいですみますが、度が過ぎると「やる気あるの?」となっちゃいますよね。
田村さんの「次やったら」発言をうけた明石家さんまさんは、バツの悪い思いをしたようです。しかしすぐに「反撃のチャンス」がやっていきます。
それは田村正和さんがだしたNGでした。
ほとんどNGを出さない田村正和さんが、NG出しまくりの明石家さんまさんの前でNGを出してしまったことから、最初の発言につながってしまったのです。
フジテレビのNG大賞では、古畑任三郎の共演者らのNGシーンはありましたが、田村正和さんのNGシーンだけはありませんでした。これも田村さんがNG嫌いであることやほとんどNGを出さないことが理由だったんですね。
緊張のお陰で名シーンが撮影できた!!
写真:gree.jp
明石家さんまさんの一言で頭にきてしまった田村正和さんは、楽屋に帰ってしまいました。
その後、ことの重大さを自覚した明石家さんまさんがスタッフを通じて謝罪したことから撮影現場に戻った田村さんでしたが、幸か不幸か素晴らしいシーンが撮影できてしまうのです。
写真:gree.jp
それが古畑任三郎シリーズの中でも屈指とされている法廷シーンです。
写真:ポニーキャニオン
写真:Gooブログ
法廷では、自供を撤回した今泉(西村雅彦)に殺人の罪をなすりつけようとする弁護士・小清水(明石家さんま)と、今泉を守ろうとする古畑任三郎が丁々発止のやり取りをします。
写真:gree.jp
写真:Naverまとめ
小清水を追い詰めた古畑が「小清水先生、聞いてくれてますか~?お願いしますよ私、一生懸命説明してるんですからね。」というアドリブを入れると明石家さんまさんは、力なく「ええ」と答えてしまったことから、とどめを刺されてしまうのです。
写真:Naverまとめ
この法廷シーンの直前に撮影現場に緊張が走りましたが、結果的に法廷シーンにふさわしいピリピリとした緊張感と丁々発止のやりとりにつながったのですから、何が幸いするかわかりませんよね。
確かにドラマで緊張感を演出するのは難しいですが、刑事役と犯人役の二人に微妙な関係があれば、否が応でも緊張感を演出できてしまいます。
古畑任三郎シリーズの中でも屈指の名作と言われる「喋りすぎた男」の法廷シーンの背景には、緊張感漂う二人の関係があったんですね。
まとめ
写真:ミドルエッジ
まさに怪我の功名といえるのが、明石家さんまさんと田村正和さんの法廷シーンの撮影でした。
日本屈指のバラエティータレントである明石家さんまと、阪東妻三郎を父に持つ生粋の役者である田村正和さんでは、まるで水と油ですよね。
撮影現場では、互いの意識の違いからすれ違いが生まれ、あわやという瞬間がありましたが、撮影が開始されると素晴らしい法廷シーンが誕生しました。
今でも語り継がえている名シーンには、こんな逸話があったんです。