1999年4月から放送されたガチンコ!ですが、中でも特に人気が高かったのはならず者たちが集いボクシングを通して強くなっていく、ガチンコファイトクラブです。
次々に入ってくる少年たちは皆強面で、衝突を繰り返します。元プロボクサーの竹原慎二や名の知れたボクサーたちも登場しますが、彼らにも不自然なほど噛み付いていきます。番組開始当初からやらせの噂が絶えないほど演出じみた内容でした。ただ、毎週視聴率はとても高く、それも込みで観ている人も多かった番組です。
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◼︎演出過剰でやらせ疑惑が度々持ち上がる
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ガチンコファイトクラブは、集まった若者たちが1回目から大揉めに揉めます。あいつが生意気だ、気に入らないなど難癖を付けてはいちいちぶつかります。彼らを煽るかのような演出が番組にもコーナーにもたくさん散りばめられ、毎週、信じられないほど喧嘩が勃発していました。
独特のナレーションや字幕も、やらせを疑うには充分な内容でした。特に演出過剰と感じられたのは、コマーシャルに入る前や、次週の予告に見られる強烈な煽りです。
出演者であるTOKIOの怒号が飛んだり、つかみ合いになっていたり、全員が入り乱れてのバトルロイヤル風の映像が流れたりと、目を離せないような展開にもっていく手法は、やらせを疑う人たちにとっても楽しみな程でした。ただ、コマーシャルが明けてみると大したことが起きなかったり、次週の予告に見られた映像が本編では流れなかったりすることも増え、ますますやらせ感は高まります。
「この後、とんでもない展開が!」とか、「信じられない修羅場が!」と煽っておきながら、それらしき展開にならないことも多く、拍子抜けする場面もたくさんありました。
カメラが回っている時だけ揉めている、というイメージもすっかり定着し、だんだん慣れながらもつい見てしまうという不思議な魅力がガチンコファイトクラブにはありました。ガチンコファイトクラブにやらせなどない、と言っている人は完全な少数派でした。
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◼︎次々に発覚していくやらせの証拠
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ガチンコファイトクラブは、放送をしている最中もたくさんのやらせ疑惑にまみれていました。竹原慎二の腰には台本とおぼしき本が挟まれているなど、かなり雑な手際も感じられました。
台本が週刊誌に流出してしまったり、毎週のように揉めているレギュラークラスの出演者が笑顔で写真に収まっていたりと、疑惑はだんだん確かなものへと変わっていきます。
あれだけ激しく揉めておいて、TOKIOのメンバーやスタッフに対しては手を出さない冷静さを併せ持っていたのも不自然です。
既に番組を卒業した出演者などが中心となって、台本があったことを次々と告白していきます。ここで次はこのセリフを、とか、君も加わって乱闘しよう、等のスタッフからの指示もあったと証言し、番組の作り方が次第につまびらかになっていきました。中には、自らのブログで告白する強者もいました。出演している素人のはずの少年の何人かは、他のバラエティー番組にも登場していることが判明し、ますますやらせ疑惑に拍車がかかります。同じ同好会に所属する仲間として、現在進行形で揉めている2人が仲睦まじく出演している映像などはかなりお粗末です。
番組に寄せられる苦情も相当な数だったようですが、多くの視聴者は、やらせでも面白ければ良いというスタンスで観ていたため、楽しんで観ている人の方が多かったです。
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◼︎まとめ
ガチンコファイトクラブにやらせがあった事はほぼ間違いありません。これだけの証拠が挙がっていながらやらせがなかったとする方が無理があります。しかし、番組自体はやらせを一切認める事なく、終了してしまいました。
実際にガチンコファイトクラブからプロボクサーになった人もいますし、タレントとしてその後活躍をした人もいます。後に逮捕者が出たり、消息が不明になってしまう出演者もいるなど、番組が終了した後もたくさんの話題を提供してくれました。