活動10年を迎えるアイドルグループAKB48。AKB48として完成した初期の頃は、社会現象となって一般的にも存在を知られる事になったAKBですが、最近はその人気も落ち目になっていると言われています。その真実について比較と解説をしていきます。
AKB48の輝かしい過去
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AKB48と言えば、大人数のメンバー構成、会いに行けるアイドルとしての新ジャンル開拓、総選挙システムといった革新的なアイドルグループとして一躍人気グループの地位を獲得しました。主要メンバーの卒業公演においては約5万から6万のファンが集まり、2012年のメディア販売の売上は190億を記録。握手会場はぎゅうぎゅう詰め……そんな全盛期も過去の話となってしまいました。主要メンバーがそれぞれ卒業してしまい、後発のメンバーも伸び悩む。それが現状という事実はどれだけ理屈を並べても変えることはできません。
本当に人気は落ち目なのか?過去と現在を比較
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まず、基本的に人気というものは高い水準を横ばい、あるいは常に上へ向かう事はありません。大抵は「全盛期」を迎えてから下へと向かっていくものです。ただそれが緩やかなに下がるのか、急落するのか。特に女性のアイドルにおいてはこの人気の高下が激しいということが知られています。事実、男性アイドルはTOKIOを始めとして30代、40代と一般的なアイドルの旬を過ぎても尚根強い人気を獲得したまま活躍しています。しかし、女性アイドルの人気は20代辺りで急激に低下、特に若さを求められているために、30や40代になると残るのは元アイドルとしての肩書と熱心なファンのみ。個人の話ですが、これはグループそのものにも当てはまります。世代交代が進むAKB48、しかしファンにも複数の種類が居ます。「推しメンのファン」「AKBそのもののファン」の2種類です。前者の場合はAKBそのものよりも、個人を応援しているため、そのメンバーが引退することで必然的に離れてしまいます。中にはまた別のメンバーを推しメンにする人も居ますが、大抵はそのまま去ってしまうのでしょう。後者は、AKB48として活躍している姿が好きなファン。しかし、40人以上居るメンバー全員を大切に思えるファンはそう多くはありません。全員の名前と顔を覚え、全員の趣味趣向を把握するというのは、それこそごく一部の限られたファンのみ。続々と世代交代していくメンバーについていけなくなった人も多いのでしょう。また、当時は画期的だったアイディアも、10年経過した現在では普遍的なものになってしまい、新鮮味が無くなってしまったのも事実です。
数字は嘘をつかない、低迷の証拠
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実際に数字を見て判断しましょう。まずはコンサートの動員数ランキング。全盛期たる2013年にはコンサートの動員数は8位の67万人でした。しかし、そこから1年ごとに下落、翌年には14位、更に翌年には倍以上の順位が落ちて35位。そして2016年にはもはやギリギリレベルの50位です。順位だけではなく動員数も顕著で、全盛期の67万人と比較して、2016年は14万人と圧倒的な差が存在しています。このコンサート動員数はアイドルグループだけではなく、アーティスト全体を対象としています。つまり、40人以上のメンバーが居るにも関わらず、個人のコンサートよりも人が少ないということになってしまうのです。続いてメディア販売の売上比較。2012年の売上は約190億円。そして2015年の売上は110億円です。80億円の差がどのくらいかと言いますと、2012年なら「Kis-My-Ft2」と「関ジャニ∞」を足して約90億で、2015年だと「三代目JSoulBrothers」が約68億円です。それでも2015年は2位を獲得していますが、2013年の頃に3位だった嵐と立場が逆転してしまっています。それでも100億円以上売り上げているということは、まだ人気はあるということではないでしょうか?
AKB48の今後は?
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率直に言ってしまえば、人気が落ち目になっているというのは事実でしょう。そもそも、AKB48が人気を爆発させたのも、新鮮さとそれまで高嶺の花という近寄りがたい存在であったアイドルの中で、「会いにいけるアイドル」としての新ジャンルを開拓した事にあります。しかし、今や会いにいけるアイドルというものは珍しくもなく、人数が多いという事も慣れてしまえばデメリットが目立ちます。モーニング娘。などもそうですが、基本的に世代交代してしまうとファンというものは減ってしまいます。男女の違いはあれど、1つのグループとして長く活動を続けているジャニーズアイドルを見ても分かる通り、気がつけばメンバーが入れ替わってるという状態になると、ファンはついていけなくなるのです。ブームも過ぎ去り、今後AKB48がどうなるのかは、新たな方向性を見つけることができるかどうかに左右されるでしょう。
まとめ
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以上、AKB48の人気についてでした。実際に数字だけを見てしまえば、商業的に人気は低下していると言えます。しかし、現在AKBはその派生グループを多く作り出しています。そのグループに既存のファンが分散していると考えてみると、案外そこまで下落しているわけでは無いのかもしれません。実際にAKB48が終わる・終わらないというのも、結局はその時になるまではわからないものです。好きな人は好き、それをとやかく言う資格はありません。