新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、多くの企業が業務形態の変更を余儀なくされています。とくに飲食業や接客業への影響はすさまじく、営業時間の変更や休業といった対応をとる店も決して少なくありません。
また、近ごろは「パン屋」の営業形態の変化に衝撃を受けた人が多いようで、ベーカリー店の自主的な判断による感染防止策が話題となっています。
朝食、ランチ、おやつの時間などに食べたくなるパン。
皆さんが思う「パン屋」のイメージと一致するかどうかはわかりませんが、パン屋といえば、トングを持ってカチカチしながら好きなパンを選んでトレイに運ぶ…そんなイメージがありませんか?
しかし、昨今は新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、パン屋の象徴ともいえるトングが軒並み姿を消しているというのです。
これまでどこのパン屋に行っても、入ってすぐのところにはトングとトレイが置かれていた印象を受けます。
しかし、私自身も新型コロナが流行しだした3月末ぐらいにパン屋に行ったところ、確かにトングやトレイの姿はなく、ベーカリー店頭で陳列商品の個包装化や透明シートで覆うなど、飛沫感染防止の動きが広がっていました。
一体パン屋で何が起きているのか店員に話を聞いてみると、やはり新型コロナの感染を考慮したといいます。
ただ、厚生労働省がホームページで公開する新型コロナウイルスに関するQ&Aでは、
「食品そのものによる新型コロナウイルス感染症に感染したとされる報告はない」としているため、
まさにこれは、ベーカリー店の自主的な判断による感染防止策だともいえるでしょう。
個包装用の資材に関しては、ベーカリーでは会計時、商品ごとに小袋に入れることからコスト増は限定的だといえる一方、
焼きたてのパンをそのまま個包装すると水滴が小袋内部に付着し品質を保つことができないため冷ます工程と袋詰めの手間が新たに生まれます。
小中高校の休校で、ベーカリーを支える人員の確保が厳しくなる中、安全・安心を担保するため難しい判断を下した…ともいえますね。
またネット上で検索してみたところ、トングのカチカチ音を愛好している人はやはり多い様子。
ネット上の反応を見てみると「最近はパン屋でカチカチできなくて寂しい…」
「トングの置いてある、いつものパン屋を返して…」
「近所のパン屋さん、店員さんが一個ずつパンをラッピングしてるみたい。頭が下がります」
といった嘆きの声も見られました。
新型コロナの感染拡大の影響で、様々な業種に大きな変化が見られつつあります。
しかし、一刻も早い頃なの終息を願って、人々が安心してトングをカチカチできるようになる日が早く戻ってきてほしいものですね…。