新型コロナウイルスのオーバーシュート(爆発的な患者急増)への懸念が指摘される中、各地で相次ぐ院内感染に危機感が高まっています。東京都では入院患者や医療従事者の集団感染が疑われる事例が起き、患者の転院先への連鎖も発覚。中核病院が外来診療の閉鎖に追い込まれるなど地域医療の崩壊につながりかねない事態に陥っています。
専門家は、新型ウイルスの患者専用の病院を選定するなど医療崩壊回避に向けた政策の転換を求めています。
病院から患者を出すことで感染がさらに広がるリスクも⁉
「人数が多く、深刻な状況だ」。3月31日までの感染者が100人超に上っている東京都台東区の永寿総合病院。見通せない感染動向に、都の担当者は顔を曇らせます。
去る3月23日、同病院で入院患者2人の感染が判明。以降、感染拡大が続き、死者もすでに7人に上っています。入院患者やスタッフらに実施された検査はすでに500件を超え、最終的に700~800件規模に膨らむ可能性があるという。
同病院は25日から 外来診療を休止したものの、院内には入院患者約200人がとどまっています。台東区は 新型ウイルス患者の転院先を探していますが 「都内の病院のベッドは埋まりつつあり、調整は難航している」と担当者。医師や看護師らにも感染が広がる中、患者をケアする医療スタッフが少なくなっていることへの不安も…。
一方で、同病院は もともと新型ウイルスの感染者にも対応できる設備を持つと言うのですが、それだけに…
「病院から患者を出にも拡大しています。慶応大病院(新宿区)では永寿総合病院から転院した患者1人と同じ部屋にいた3人の感染が判明。また、都保健医療公社は、運営する荏原病院(大田区)で非常勤として外来診療を担当していた永寿総合病院の30代医師の感染を発表しています。
「中核病院で院内感染が起きれば、地域医療に及ぼす影響は大きい。病棟閉鎖などでベッド数の確保が難しくなり、一般の入院患者の治療にも深刻な影響が出かねない」。東京医すことで感染がさらに広がるリスクもある。院内で治療に当たる方がよい」(都関係者)との意見もあり、混乱は終息の気配を見せません。
実際、感染はすでに 他病院療保健大の菅原えりさ教授(感染制御学)はこう述べ、医療崩壊への危機感を示します。
院内感染の防止に向けては、病院側の“盲点”も明らかに⁉
医療従事者や元入院患者ら計24人の感染が確認されている国立病院機構大分医療センター(大分市)では、医療スタッフらが使う休憩室が感染経路の一つになった可能性が浮上。大分県によると、スタッフらは患者の応対にはマスク着用などを徹底しているが、休憩室ではマスクを外し、同僚らで飲食していたケースも考えられるという。
新型ウイルスは感染に気付いていない患者が、外来診療などを通じて院内に持ち込むことも考えられます。厚生労働省は新型ウイルス患者だけを重点的に受け入れる病院の設置の検討を都道府県に要請。感染すれば重症化のリスクがある妊産婦らを守るため、新型ウイルスの患者を受け入れない病院の指定を求めるなど、計画的な医療提供態勢の構築を目指します。
「病院ごとの役割を分けることで、感染に気付かずに受診する患者が院内に入るリスクを低減できる。ただ、院内感染が起きれば、そうした計画も崩れる。医療従事者らは日頃から、密閉、密集、密接を徹底的に避け、ウイルスを持ち込むことにつながる行動がないか、改めて点検していくことなども重要になる」と 菅原教授は指摘しています。
医療崩壊起こすから検査しないという理由が真逆の結果を⁉
今回のこの報道にも多くのコメントが寄せられていますが…
《ワクチンなく診察する医療従事者は、武器なく戦場に行くようなもの。それでも逃げることなく対処しているのは、本当に尊敬できる。行政は、マスク2枚の策しかない。自分たちで医療を守らないと、自分たちの命も未来もない。今は苦しいが、不要不急の外出をしないことで感染拡大を緩和し、医療を守るしか未来はない 》
《 検査しないツケがとうとう院内感染という形になって現れてきた事だと思う うつす方もうつされる方も感染者だと知らない事が不幸を招いている。医療崩壊起こすから検査しないという理由が真逆の結果を招きはじめている 》
《 山梨の病院が濃厚接触者多数で大変だったり…全国の救急隊員や医師、看護師が毎日完全防護体制で応対してるわけじゃないんだよな。もう、非常事態宣言出しても医療崩壊は阻止出来ないんじゃないの?》
等など、行政のマスク2枚政策への批判、検査しないことから医療崩壊が阻止できなくなっている現状を嘆く声が多く寄せられました。