日本で初めての肢体不自由児の養護施設「ねむの木学園」を運営してきた女優、宮城まり子(みやぎ・まりこ、本名・本目真理子=ほんめ・まりこ)さんが 21日、悪性リンパ腫のため東京都内の病院で死去しました。93歳。自宅は世田谷区上野毛3の22の5。
歌手デビュー後、ミュージカル女優などとしても活躍
東京都出身。1955年に「ガード下の靴みがき」で歌手デビューした。その後、ミュージカル女優などとしても活躍し、テレビドラマ「てんてん娘」や映画「オンボロ人生」で地位を築きました。
脳性まひの子の役を演じたことなどから 障害児教育への関心を高め、68年に私財を投じて「ねむの木学園」を 静岡県浜岡町(現御前崎市)に開きました。74年、障害のある子どもたちとの日々を描いた記録映画「ねむの木の詩」を製作・監督して反響を呼びました。
「ねむの木村」を開設。美術館ほか 吉行淳之介文学館も開設
97年、施設を同県掛川市に移すとともに「ねむの木村」を開設。美術館などを併設して 独自の障害児教育に取り組むとともに、全国各地で絵画展やコンサートを開いて障害者への理解を訴えてきました。
94年7月に死去した作家の吉行淳之介氏とは、伴侶として 約40年間を過ごし、99年には 園内に吉行淳之介文学館も開設しました。
学園を巡っては、11年 2月、関連団体の元職員らが 宮城さんから運営資金 約1500万円をだまし取ったとして警視庁に詐欺容疑で逮捕される事件も起きました。
2012年に 瑞宝小綬章を受章。上皇ご夫妻とも交流があり、18年11月にはご夫妻が 私的旅行として、ねむの木学園を訪れるなどしました。
真に人を愛して生きた人、日本のマザーテレサ…
今回のこの報道にも多くのコメントが寄せられていますが…
《 ずいぶん前だが、ねむの木学園の生徒さん達が描いた絵が展示してある展覧会に行った事がある。握る力が弱い子供でも描ける水彩マーカーを使った鮮やかな絵に驚いた。私財を投じて子供たちの為に尽くされた事に敬意を表すると共にご冥福をお祈り申し上げます 》
《真に人を愛して生きた人。日本のマザーテレサ。お疲れ様でした。ゆっくり休んで下さい。ねむの木学園が宮城さんの意志を受け継ぎ守って行くことを心より願っております。 》
《 宮城さんが声優をされていた「まんが世界昔ばなし」に思い入れが強い人が沢山いると思います。私も欠かさず観ていました。宮城さんの「子供に読み聞かせる」という感じがとても好でした。ご冥福をお祈りすると共に、お礼を言わせて頂きます。楽しい時間と思い出をありがとうございました。》
等など、宮城さんの業績を称える声が 多く寄せられていました。ご冥福をお祈りいたします。