漫画家・イラストレーターのきくちゆうきさんが手掛け、ネットで話題となっている日めくり漫画「100日後に死ぬワニ」が20日、100日目を迎え、“最終話”が更新されました。更新予定の午後7時から遅れて投稿され、ツイッター上では「100日目」「ワニ更新」「ワニの死」「ワニさん」などワニ関連の言葉が複数トレンド入りし、「ワニくん」は“世界1位”となるなど、大きな反響を呼びました。
「100日後に死ぬワニ」は、100日後に死ぬことを知らないワニがのほほんと暮らす日常を描いた4コマ作品です。きくちゆうきさんが昨年12月12日に自身のSNSに投稿してから「100日後どうなるの?」「死ぬって教えてあげたい」「切ない」と目が話せなくなった閲覧者が続出しました。日を追うごとに注目が高まっていき、ツイッターフォロワー数は190万人(3月20日午後3時現在)を突破しました。
「100日後に死ぬワニ」 pic.twitter.com/RUblRfVWTs
— きくちゆうき (@yuukikikuchi) December 12, 2019
4コマ漫画の最後には、「死ぬまであと100日」「死ぬまであと99日」と、カウントダウンがされていきます。あと3日、あと2日、そしてもうすぐ、その日がやってきます。
これまで毎日午後7時に更新されていましたが、この日は更新されず。100日目を気にしていたファンからは「ワニさん、死んでしまってツイート出来ずかな?」「死んだからもう見れないってこと…じゃないよね…」「まさか死んだから更新なし…なんてことないよな?」と多くの憶測が飛び交いましたが、その後“100日目”が遅れて投稿されました。
この日きくちゆうきさんは日本テレビ系「スッキリ」(月~金曜前8・00)に生出演し、死へのカウントダウンについて「見ている人が終わりを意識してくれるようにしたかった。僕らもいずれ死んでしまうが、それを考えながら生活すると、今やるべきこととか、これは今やるべきことじゃないなとかが見えてくるのではないかなと思った。」と思いを語り、ラストについては「終わり方はそんなに重要ではないと思っている。(作品を通じて)いろんなことを考えてもらえたらと思います。」とコメントしていました。
実は私たちはみんな、「100日後に死ぬワニ」です。学校も職場も生活も変化します。いつまでもは続きません。そして人はみな、いつか死にます。人は、一日生きれば確実に余命が一日短くなります。けれど、普段はそんなこと気にしていません。特に現代人にとっては、死の現実味は薄くなりがちです。だから、一人の死は、昔よりもずっとインパクトがります。一人の子供の死も、一人の兵士の死も、大きな出来事です。
新型コロナウイルスの流行は、現代人が忘れかけていた、「薬もない伝染病による死の恐怖」を復活させました。日本はまだ幸にして医療崩壊などしていませんが、イタリアの人々は死への恐怖を感じている人も少なくないようです。病気など流行しない方が良いですし、みんなが長生きして欲しいと思います。それでも人の時間は有限で、いつか最期がやってきます。
この作品「100日後に死ぬワニ」と感染症の流行は偶然なのでしょうが、このような時期だからこそ、作品への注目も増しているのかもしれなません。