2月21日夕方5時過ぎに父親である鎌田憲一さんを刺殺したとして逮捕された娘の鎌田くるみ容疑者(21)。くるみ容疑者はかねてから精神的に不安定な部分があり、ひきこもり体質だったとされていますが、子煩悩と言われていた父親と一体何があったのでしょうか?
鎌田親子の間に一体何が?
2月21日夕方5時過ぎ、世田谷区の住宅街にて突然「ウォー!」という男性の叫び声が聞こえてきました。アパート前の駐車場にひとりの男性が倒れており、約15分後に所轄の警視庁成城署員が約1キロ離れた路上に佇む娘の鎌田くるみ容疑者を発見。任意同行の末、父・憲一さんを刺殺した殺人容疑で逮捕されました。
くるみ容疑者「父から殴られたり、死ねと言われていた」
くるみ容疑者は事情聴取にて「父から殴られたり、死ねと言われたり、嫌がらせを受けていた。父親がずっと嫌いだった」と供述しています。実はいうと、くるみ容疑者は2月上旬にも成城署に同様の被害を訴えており、憲一さんには口頭で注意をしたとのこと。しかし、逮捕時にくるみ容疑者の身体には目立った傷跡が存在しなかったため、彼女の供述には多くの矛盾点があります。
母親が先立ち父子家庭として育ったくるみ容疑者
くるみ容疑者は小学生の頃はいたって明るく、憲一さんも近所に明るく挨拶していたことから、家族関係が悪いようには見えなかったそうです。しかし、小学校の頃に母親の死を経験し、それから憲一さんと父子家庭に。中学卒業後、都立高校に入学すると、アートや音楽の世界に目覚めるという芸術的な才能を見い出していたようです。しかし、地元の定時制高校に在籍しているくるみ容疑者は精神的に不安定なところがあり、年間数日しか登校していないとのこと。くるみ容疑者はどうやらひきこもりだったようです。
憲一さんは子煩悩のはずが…?
憲一さんは20代からタクシー運転手として働き、くるみ容疑者が誕生した翌年の1999年に独立、個人タクシーを開業しています。以来、21年にわたり一人娘を育ててきたようですが、奥様が亡くなられてからは夜型の勤務をできるだけ昼型に変えようとしており「夜は娘と過ごしたい」と子煩悩な様子を見せていたことが関係者の証言で分かっています。
しかし、くるみ容疑者は憲一さんから身体的・精神的暴力を受けたと供述しているため、2人の間には大きな食い違いがあるのですが、その事実関係はどうであれ、自営業で男手ひとつで娘を育て、家賃11万円のアパートで家計を支えていたという憲一さんのことを考えると居たたまれませんね。
まとめ
親子間で起こった今回の悲しい事件ですが、子煩悩であった父親と「死ねと言われていた」という娘の立場が相反しており、どちらの立場が正しいのかはいまだ分からずじまいです。ただ日頃から精神的に不安定だったくるみ容疑者のことを憲一さんが厳しくしつけており、それを「暴力」と解釈をしてしまい、犯行に及んでしまったケースも否めないため、日頃から2人にコミュニケーションの不足があったのではないか、と思わざるをえません。