新型コロナウイルスは、感染者が毎日増えています。外を歩くと感染するのではないか、と不安です。犬の散歩に行く飼い主は、この犬がかかるのではないか、と心配ですね。
北海道獣医師会は27日までに、新型コロナウイルス感染について、犬や猫の飼い主に向けた注意文をホームページ(HP)に掲載しました。
犬や猫が感染したり、媒介したりすることはないと指摘しました。ただ、ウイルスが突然変異を起こす可能性が否定できないため、飼い主が感染したら接触を避け、犬や猫の毛につかないように、マスクや手袋を着用するよう勧めています。(ウイルスは、一般的には、種の壁を超えることは珍しいです。もろろん、犬のコロナウイルス、猫のコロナウイルスは、いまのところ種を超えていません)。
東京都獣医師会も同様の注意文をHPに掲載しました。飼い主が感染して入院する場合、ペットを自宅に残して知人などに世話を依頼する方法は依頼先が感染する恐れがあるため勧められないとし、ペットを外部に預けるよう求めています。散歩のときは、首輪やリードや犬の毛もアルコールで消毒するようにとしています。
また、ペットが感染者と濃厚接触した後に体調が悪くなり、かかりつけの動物病院に連れて行く際は、必ず事前に電話するよう注意しています。
世界小動物獣医師会(WSAVA)がHPで公表した見解によると、これまで犬や猫が感染することが知られるのは「アルファコロナウイルス」であり、犬は軽い下痢、猫は伝染性腹膜炎を起こします。人の新型は種類が違う「ベータコロナウイルス」で、犬や猫が感染する証拠はありません。しかし、事態は急速に進展しており、最新情報に注意が必要といいます。
獣医師会は飼い主に以下のことを気をつけるように促しています。
・十分に衛生状態を保って、犬や猫と暮らす。
・猫は完全に屋内飼いにする。
・生あるいは加熱不十分な動物の肉・肉製品の消費を避ける。
・生の肉・肉類に触れるときは、手袋をするなど、衛生管理に気をつけてください。
・不安がある場合は速やかに獣医師に相談する。
・デマなどにとらわれることがないように、科学的に正しい獣医師会のHPなどを見る。
獣医師が心配していることは、ネットでデマが広がり、犬や猫がウイルスを伝播することを恐れた飼い主によって遺棄されることです。パニックを起こすことなく、冷静に対処してください。飼い主もペットも衛生管理をしっかりして、安全に暮らしましょう。