28日、橋本聖子五輪相は 衆院予算委員会で、新型コロナウイルス感染拡大を受けて、国際オリンピック委員会(IOC)最古参委員のディック・パウンド氏が、大会を1年延期する可能性に踏み込んだと報じられたことに対し、元五輪選手の立場としての認識を問われて「(延期は)あり得ないと思う」と、否定的な考えを示しました。
延期は、選手側にとってはあり得ない⁉
国民民主党の大西健介議員に「アスリートの立場で、1年延期はあり得ると思うか」と問われた橋本氏は 「大会は4年に1度の日程で、選手はそれに合わせてしっかり準備をしてきている。延期は、選手側にとってはあり得ないと思う」と、述べました。橋本氏はスピードスケートと自転車競技で、夏冬 計7大会に出場しています。
パウンド氏は、開催可否の判断を「遅くとも5月下旬」までに 決めるべきとの認識も示しています。判断のデッドライン(最終時期)を問われた橋本氏は「中止を含めて、すべての権限は IOCにある。IOCが決めたことに 従うのがルールだ」と述べました。その上で、IOCのバッハ会長が 27日に、予定通りの開催に向けて 全力で準備する考えを表明したことにも言及しました。
パウンド委員はなぜ、このタイミング発言を⁈
「パウンド氏は今のコーツ副会長(調整委員長)とは格が違い、影響力は世界の委員に及びます。しかし、最近はバッハ会長のもとで軽視されつつあり、あらためて存在感を示したかったのでしょう。いずれにしても、世界中に拡散している新型コロナウイルス問題について、委員として一石を投じ、開催可否についてIOC内でも議論を深める必要があると考えたのだと思います」 と スポーツジャーナリストの谷口源太郎氏は 語りました。
「パウンド委員はIOCの元副会長であり、世界で100人超いる委員の中でも『単なる1委員』という位置付けではありません。彼は1960年、競泳自由形の選手としてローマ五輪に出場。その後、モントリオールで弁護士となり、78年にIOC委員となりました。五輪の商業主義化を進めたサマランチ元会長のもとで権利ビジネスの中心的役割を務め、IOCマーケティング委員長や世界反ドーピング機関(WADA)委員長に就くなど、各国委員にも顔が利く。そんな彼が熱心に取り組んだのが、米国向けテレビ放映権の獲得でした。五輪まで5カ月に迫ったこの時期に開催の可否に言及したのは、『新型コロナウイルスの封じ込めに失敗して中止となれば放映権料は払わないし、延期もしない』という米メディアの意思を代弁したのではないか」 と スポーツ紙記者も語りました。
海外では 「日本での開催などあり得ない」⁈
《 そりゃ,元アスリートが「五輪1年延期は選手としてあり得る」なんて言えんわな。でも,現実的にはその可能性を考えねばならない 》
《 選手としては、他国開催と延期がどっちがいいかは、それぞれだろうなぁ。開催地等との相性もあるから。選手としてでなく、「国として」「国民として」ならば、また違った結論となるが 》
《 逆に海外は一様に「日本での開催などあり得ない」と報じていますけどね。実施したいのは日本だけですよ 》
等など、今回の報道に対しても 多くのコメントが寄せられていますが、今の現状では まずは 感染の収拾が第一と言えそうです…。