新型コロナの影響は現在も国内で広がり続けていますが、それに合わせてマスクの入手も困難となっています。日本のマスクは機能面での良さから各ドラックストアで買い占める中国人客が多く存在しており、予防目的の他に転売するため朝から並んで大量に購入していく人もいるのだといいます。
そんななか、薬局大手チェーンの『コクミンドラッグ』が、マスクを買い求める中国人客を対象に、高額栄養ドリンクなどを“抱き合わせ”て販売しているとして問題となっています。「2月上旬から、外国からの観光客の多い店舗で、『栄養ドリンクを買ったら売ってやる』などと言って、500円程度のマスクを強壮剤や化粧品などとあわせて9000円前後で販売していました。地区の責任者が各店舗に提案したようです」(コクミンドラッグ関係者)
関係者によれば、現在は日本人客にも誤って抱き合わせ販売をしてしまい、「悪徳商売だ」とクレームにつながってしまったために、“抱き合わせ販売”をとりやめることになったといいます。『コクミンドラッグ』は大阪に本社を構え、全国で192店舗を展開しています。1935年に創業してから企業努力を重ねて店舗を拡大してきましたが、こうした事実があったとあれば、イメージダウンにも繋がりかねません。
そこで、記者が運営会社のコクミンの経営企画室に取材を行い、直接“抱き合わせ販売”があったのかどうか、事実確認を行いました。
記者:中国人客に対して抱き合わせ販売をしていた?
コクミン:マスクや風邪薬をお買い求めのお客様に、早期治癒のため栄養ドリンクをお勧めするよう、会議の場で督励しております。ただ、一部の店舗でこのような指示を念頭に、販売の工夫というレベルで、ご指摘を頂いたような誤解を招く恐れのある販売をしていたことは事実でございます。店舗名や店舗数については現在調査中です。
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コクミン側は「誤解を招いた」と表現していますが、事実であることを認めたといっても間違いではありません。また、日本人客とのトラブルもあったとしていますが、「販売方法についてのご指摘を受けた事実はございます。国籍に関係なく公正な接客を行うように教育を行っておりますので、誤って日本人のお客様に販売しようとしたのではないと認識しております。」と、あくまでも売り上げ向上の努力であったことを主張しました。
記者:会社上層部からの指示は?
コクミン:具体的に指示をしていたという事実を把握しておりません。弊社も今回の件を重く受け止め、販売姿勢を正すとともに、再発防止に向け、社内教育を徹底してまいります。
ネット上では、このコクミン側の主張について「買い占めや高額転売への批判が殺到している状況において、日本の恥とも言える行為。」「目先の数千円、数万円の利益の為に信用を失うのは客商売向いてないね。」「いつまで絶っても転売屋の買い占め&高額販売は無くならず必要な日本人にマスクがまわらない。」「この会社ならやりそうやな。」「自分さえ良ければいいんでしょうね 日本ってこんな国でしたっけ…」などと呆れる声が多数あがっており、マスクの品薄状態が続くなかで今回のニュースは波紋を広げそうです。