映画の祭典「第92回アカデミー賞」の受賞式が2月10日(日本時間)、
アメリカ・ロサンゼルスで開かれ、『パラサイト 半地下の家族』が作品賞を受賞しました。
『パラサイト 半地下の家族』は6部門でノミネートされ、他にも監督賞、国際映画賞、脚本賞を受賞。
韓国語映画が作品賞を受賞するのは史上初となり、アジア映画としても初めてで、快挙を達成しました。
今年のアカデミー賞では作品賞をはじめ、監督賞、脚本賞、国際長編映画賞、美術賞、編集賞の計6部門にノミネートされ、4冠を達成。
作品賞と国際長編映画賞(昨年まで外国語映画賞)を同時に受賞するのは、アカデミー賞の歴史において初めてとなりました。
昨年、旋風を巻き起こしたNetflix映画『ROMA/ローマ』(アルフォンソ・キュアロン監督)も成し遂げることができなかった快挙となりました。
また、カンヌ国際映画祭の最高賞であるパルム・ドールを受賞し、
アカデミー賞の作品賞も手にするのは『マーティ』(第28回/1955年)以来2作目。
非英語圏作品としても『アーティスト』(第84回)以来で2作目となります。
作品賞にノミネートされていたのは、以下の9作品。
フォードvsフェラーリ(ジェームズ・マンゴールド監督)
アイリッシュマン(マーティン・スコセッシ監督)
ジョジョ・ラビット(タイカ・ワイティティ監督)
ジョーカー(トッド・フィリップス監督)
ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語(グレタ・ガーウィグ監督)
マリッジ・ストーリー(ノア・バームバック監督)
1917 命をかけた伝令(サム・メンデス監督)
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(クエンティン・タランティーノ監督)
パラサイト 半地下の家族(ポン・ジュノ監督)
この中でも、第一次世界大戦を舞台に2人の若いイギリス兵士を描いた『1917 命をかけた伝令』や、
古き良きハリウッドを描いたタランティーノ監督の『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』、
ホアキン・フェニックスの怪演が大きな話題を集めた『ジョーカー』、
韓国映画として初めて作品賞にノミネートされた『パラサイト 半地下の家族』などが有力視されていました。
特に、「大穴」と予想されていたのが『パラサイト』。
過去に『殺人の追憶』や『母なる証明』、『スノーピアサー』などで国際的に高い評価を受けたポン・ジュノ監督の最新作で、予想のつかないストーリー展開で圧巻の悲劇を描きました。
韓国では動員1000万人を突破し、全米でも2019年の外国映画で興行収入は1位に。
歴代興行収入でも8位と、各国で動員記録を塗り替えるほどの盛り上がりを見せています。
ステージには『パラサイト』のスタッフ&キャストが集結し、
ポン・ジュノ監督は、「想像もしたことがないことが現実となりました、本当にうれしいです。いまこの瞬間に、意味のあるタイムリーで象徴的な歴史が作られていると思います」とアカデミー賞への感謝を述べました。
アジア映画としても初の快挙となり、ネット上でも祝福の声がたくさんあがっています。
「監督の手腕が凄い。カンヌも取ったし、オリジナル作品でジャンルでくくれない。ワクワク、ドキドキ。」
「取るべき作品だと思ったけど、すごい!間違いなく面白かった。
それにどこの国にもある問題が提起されてるから、誰でも面白く感じられるのでは?
おめでとうございます!」
「素晴らしいと思う。日本もこういったシリアスな社会派映画を作る監督がもっと出てきてほしい。」
などのコメントが寄せられていました。