5月に十三代目市川團十郎を襲名する歌舞伎俳優の市川海老蔵(42)さんと八代目市川新之助を名乗り初舞台を踏む長男の堀越勸玄(6)くんが7日、東京都内で襲名披露演目の発表会見に出席しました。
5月3日から7月20日まで約3カ月間にわたる東京・歌舞伎座の公演では、5月と6月に「勧進帳」、5月と7月に「助六由縁江戸桜」など、江戸歌舞伎の中心として継承されてきた市川團十郎家ゆかりの演目がずらりと並びました。“令和の團十郎”として「勧進帳」で弁慶を演じる市川海老蔵さんは「命がけで向き合う男の姿と、團十郎を襲名する私の姿が重なるようにできたら」と意気込んでいました。
市川新之助としての初舞台は6月の「外郎売」。堀越勸玄くんは昨年7月に市川海老蔵さんと親子共演で貴甘坊役として出演し、早口言葉を披露するなど話題を呼んびました。今回は1人で戦後最年少となる外郎売(実は曽我五郎)の大役に挑みます。堀越勸玄くんは「けっこう難しそうだなと思います」と心境を堂々と明かし、市川海老蔵さんは「役者として『オレはやったるんだ』という雰囲気が出てきた」と成長著しい息子に父親の顔をみせました。
昨年1月の襲名発表から1年あまり。海老蔵を襲名した時を振り返り、「一言で言えば心細い」と本音を吐露しました。「その時は横を見れば父が十二代目市川團十郎として座ってくれていた。そして妻も、まだ結婚はしていなかったですけども。今は自分としても父親がいないのは非常に心細い。本来支えてくれるはずだった麻央もいない」と、亡くなった父の十二代目市川團十郎さんや妻でフリーアナウンサー小林麻央さんへの思いも告白しました。
それでも「襲名は大きなこと。役者1人が頑張ってもどうにもならないことはたくさんあると痛感している。その中で父、妻がいない。子供の襲名、自分自身も大きな名跡を相続するのはいろんなことを感じる。あの時の浮かれてる感じは全くなく、ちょっと落ち着いたのかなと。『時と経験は人を変えていくのだな』ということを感じている。」と若かりし頃を回顧し、自身の成長を実感していました。
これから臨む大舞台について「自分が頼りにされて、また自分が頼りにする人間がいないという状況の中でこの3ヶ月間、また大阪など地方各地を回る長丁場をどういう風にやっていくか。至らぬことだらけだが、自分のできることを背伸びせずにやっていくことが精一杯かなと思ってます。海老蔵襲名の時とは全然心境が違うかなと思ってます。」と語り、間近に迫る十三代目市川團十郎襲名を見据えていました。