『週刊少年ジャンプ』2020年10号に掲載された連載漫画『僕のヒーローアカデミア』第259話に登場したキャラクター名について、
「中国をはじめとする海外の読者の皆様に不快な思いをさせてしまいました」
7日、出版社の集英社は このように謝罪しました。
作者の堀越耕平氏も 「大勢の方に大変不快な思いをさせてしまい、誠に申し訳ございません」とコメントを発表しました。
中国をはじめとする海外の読者層から多く反響が?
「過去の悲惨な歴史の記憶を想起させるとのご指摘を、中国をはじめとする海外の読者の方々から多くいただきました。『志賀(しが)』は他の登場人物名の一部から、『丸太(まるた)』はその外見から命名したもので、過去の歴史と重ね合わせる意図は全くありませんでした…」と 同作に登場したキャラクター「志賀 丸太(しが まるた)」について、このように説明しました。
その上で「しかしながら、『悪の組織の医師』というキャラクターの設定とこれらの名前が合わさった結果、中国をはじめとする海外の読者の皆様に不快な思いをさせてしまいました。事前に編集部が表現について十全な検討を行うべきでした。深くお詫び申し上げます」
と謝罪したのです。
様々な歴史と文化への理解を深める努力を…
「今回の問題を真摯に受け止め、当該キャラクター名を、紙版においてはコミックス収録時に、電子版においてはすみやかに変更いたします」と 今後に向けての対応を明かしつつ…
「今後、このような事態を起こさないよう、様々な歴史と文化への理解を深める努力を続けるとともに、多くの人々の気持ちに寄り添いながら、皆様に愛される漫画をお届けしてまいります」としました。
キャラ名について 作者の意図は?
「『志賀丸太』という名前について、大勢の方に大変不快な思いをさせてしまい、誠に申し訳ございません。『志賀(しが)』は、彼がかつての『敵連合(ヴィラン連合)』のボス『オール・フォー・ワン』に心酔し、自らその存在に近づきたいと思ったことから、その本名『死柄木(しがらき)』の一部をとって『志賀(しが)』と名乗ることにしたもので、『丸太』は『丸々と太った』感じを表せればと名付けたものです」 と 作者の堀越氏も その意図を自ら説明しました。
続けて「いずれも偶然で、読者のみなさんを傷つける意図は全くありませんでした。心からお詫びいたします」と謝罪し、「今後、二度とこのようなことを繰り返さぬよう、努めてまいります」と決意を新たにしました。
海外の読者層も意識する必要性が…
同作については、“志賀丸太”という名前が、第2次世界対戦中の「731部隊」や捕虜を意味する“マルタ”を連想させるとSNSで批判があり、ジャンプ編集部は 去る3日に、コミックス収録時に 名前を変更すると発表していました。
今回のこの謝罪を通して、改めて日本の漫画の読者が 日本だけではなく海外でも 多く読まれていることを認識させられると同時に、それだけに やはり過去の歴史問題に対しては かなり敏感な反応があることも 常に念頭に入れておく必要性があることを 出版サイドも 改めて実感させられることになったのではないでしょうか…