王妃マリー・アントワネットは、フランス革命で処刑されましたが、処刑前夜に一晩にして白髪になったとか―。こんな言い伝えがあるほど、強いストレスと 白髪は関係が深いと考えられているのです。
米ハーバード大の研究チームはこのほど、ストレスが白髪をつくるメカニズムを解明し、22日付の英科学誌ネイチャー電子版に論文を掲載しました。
研究チームはマウスにストレスを与え、白い毛が生えてくる過程を観察しました。そして ストレスを感じると放出される神経伝達物質のノルアドレナリンが、毛根付近の細胞を過剰に活性化させることが原因だと突き止めたのです。
毛根付近にある幹細胞は通常、髪が生える過程で徐々に色素細胞に変化し、髪の色素を生成しています。ところが、ノルアドレナリンによって過度に活性化すると、急速に色素細胞へと変わり、枯渇してしまうということです。
研究チームは、今回解明されたメカニズムが「ストレスが体の他の部位に与える影響を理解することにもつながる」と期待しています。
白髪とストレスの関係は…
私たちの体はストレスを受けると、血管が収縮することで、血行が悪くなると言われています。血は、全身に栄養を運ぶ働きがあるので、血行が悪いと健康な髪が生えにくくなるそうです。
それは、血行が悪くなり、健康な髪に必要な栄養が行き渡らなくなるためです。
ストレスを受けてもすぐに白髪は生えない?
しかし 例え大きなストレスを受けても、昨日の今日で白髪が目に見えて気になることは 日常では あまりないとも言えます。
髪の色が白か黒か決まるのは、生える前段階の話になるので、すでに黒かった髪が、突然白に変わることはないからです。
もし、大きなストレスが原因で白髪が生えたとしても、その白髪が伸びて目立ってくるのは、しばらく経ってからです。髪は、平均的に1日に0.3~0.5mm、1カ月に1~1.5cm伸びます。
一気に白髪が増えたように感じた場合、多大なストレスを受けた時に作られた髪が、同時期に伸びてきたからということになります。
髪の長さから逆算して、その頃にストレスを受けた覚えがなければ、白髪はストレスとは別の原因で生えてきた可能性も高いといえそうです。
ストレス以外の白髪の原因と対処法
ストレス以外に考えられる白髪の原因は主に4つあります。
それは、大きく分けて、遺伝、栄養不足、加齢、病気などがあげられます。
病気による白髪の場合は、病気が良くなれば自然と白髪は減りますが、白髪を減らすためには、白髪の原因となっていることを避けるか、染めてしまうかしかないでしょう…
すぐに取り組める 白髪への対処方法を2つご紹介すると
1.ストレスをためない
ストレスをできるだけためないようにし、リフレッシュする時間を取りましょう。ストレスを受けやすい方が ストレスを感じないようにするのは難しいので、自分なりのストレス解消法を見つけたり、ゆっくりお風呂に使ったり、体を動かしたりして見るのもよい方法といえるでしょう。
2.生活習慣を整える
・栄養をバランス良く摂る
髪の健康のためにも、栄養をバランス良く摂ることが大切です。日頃から食生活が乱れている方は、油っこいものやファストフードを控えるようにしましょう。和食中心の献立にし、髪の主成分となるたんぱく質や、ミネラルなどが不足しないように心がけてください。
・睡眠を取る
髪に色をつけるメラニン色素は、寝ている間に生成されます。生成を活発にするには、深い眠りを4時間以上継続させることが必要です。睡眠時間をたっぷり取るというよりは、6時間程度でも、質の高い睡眠が大切です。
・体を動かす
日常にランニングや縄跳びなどを急に取り入れる必要はありませんが、運動不足だと感じている方は、日頃から体を動かすように意識しましょう。体を動かすと、血行が良くなり、髪に栄養が行き渡ります。食事で栄養を取ったら、血行を良くして頭の方にも栄養を運びましょう。
・タバコを控える
タバコに含まれるニコチンは、血管を収縮させるため、血行が悪くなります。白髪だけでなく薄毛を引き起こすこともあるので、控えるようにしてください。
とにかく 今できることからでも取り組むことが、白髪改善につながるのではないかと思われます!