保釈中に国外逃亡した日産自動車元会長カルロス・ゴーン被告の妻で、検察当局が 7日に偽証容疑で逮捕状を取ったキャロル・ゴーン容疑者が同日、仏大衆紙パリジャン(Le Parisien)の取材に応じ、夫の逃亡には関わっていないと語ったそうです。
『あなたを驚かせる知らせがある』と告げられ
「私は何も知らなかった……ベイルートで子どもと一緒にクリスマスを祝おうとしていたら電話が入り、『あなたを驚かせる知らせがある』と告げられた。私の人生の中で最高の知らせだった!」
とキャロル容疑者は語りました。
キャロル容疑者は同紙に対し、保釈中だったゴーン被告が 昨年12月29日から30日にかけて 秘密裏に東京を離れ出国した逃亡劇について、自分は何も知らなかったと答えました。
「裁判がいつまでも延期され、人間性を奪おうという意図の下、彼(ゴーン被告)は 権利を剥奪された状況で拘束されていた」
とも述べ、そうした中、逃亡は取り得る唯一の選択肢だったとの見解を示したとのことです。
記者会見を前に ゴーン被告は やや緊張?
また、「カルロス(・ゴーン被告)は自分がやっていないことについて、有罪を認めることはできない」とも述べ、夫は「ルノー(Renault)と日産の間の陰謀と争いの犠牲者だ」と訴えました。
キャロル容疑者は、記者会見を前に ゴーン被告は やや緊張していると述べつつ、「彼の人生で最も重要な声明」を発表しようとしているのだから「当然」だと語ったそうです。
インタビューは、ゴーン被告が逃亡先であるレバノンの首都ベイルートで8日に行うと発表した待望の記者会見を前に行われました。
裁判所でウソの証言をしたとして逮捕状
去る 7日には、東京地検特捜部は、キャロル容疑者について、裁判所でウソの証言をしたとして逮捕状を取りました。
東京地検特捜部によりますと、キャロル容疑者は、ゴーン被告のオマーンの販売代理店をめぐる特別背任事件の捜査に絡み、去年4月、東京地裁で行われた証人尋問でウソの証言をした疑いがもたれているということです。
キャロル容疑者は、実際にはゴーン被告の指示で送金していた事件関係者と多数回、メッセージのやりとりをするなどしていたのに、「知らない」などとウソの証言をした疑いがあるということです。
特捜部は逮捕状を取ったことを発表した理由について、「キャロル容疑者との面会制限について、ゴーン被告は『非人道的だ』としているが、こうした証拠隠滅行為などがあり、必要な保釈条件だったことを多くの人たちに理解してもらうため」と説明しました。