昨年12月31日に“令和初の紅白”として放送された「第70回NHK紅白歌合戦」の平均視聴率が、37・3%(2部)となり、紅白史上最低だったことが 去る2日に 分かりました(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。2部の37.
3%は、2015年の39.2%を下回り、2部制になった1989年以降、ワーストの記録となったそうです。
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ne. jp紅白歌合戦は1963年には81.
2004年以降は40%を前後しており、2015年は1部34. 8%、2部は39. 2%、2016年は1部35.
1%、2部は40.
2%、2017年は1部35. 8%、2部は39. 4%、2018年は1部37. 7%、2部は41. 5%でした。
出場歌手は平成以降最も少ない 42組だったということも影響しているであろうか…
本番前日に行われる全体リハーサルで 幕が開き、勢ぞろいを見た瞬間、取材席がざわついたといいます。
「なんか、スカスカじゃない?」。例年、大階段やステージの両袖まで華やかに埋まるものではあったが、今回は 見た目に心細く、既に取材陣からも「独特の高揚感がない」「視聴率は大丈夫だろうか」と心配する声が聞かれたそうです。
リハーサル終了後にも「あの人もいない」「この人もいなかった」と、取材者の間で出欠確認の輪ができたほど、ベテラン歌手が欠席していたという。NHKが欠席を許しているとはいえ、リハにこそプロ意識と緊張感が表れることを思うと、なんとなくさみしいリハーサル現場だったようです。
「第70回NHK紅白歌合戦」は、白組司会を人気グループ「嵐」の櫻井翔さん、紅組司会を女優の綾瀬はるかさんが担当。総合司会は、3年連続となるお笑いコンビ「ウッチャンナンチャン」の内村光良さんが同局の和久田麻由子アナウンサーと共に務めました。
今回ならではの 新国立競技場の紹介や、ディズニー映画コーナーなど企画枠を増量したのも特徴だったといえます。
チコちゃんも登場させたり、コント番組「LIFE!」を中心に、自局の複数の番組をベースにしたコントコーナーなどにも力を入れていたようですが、番組のマニア以外には 反応が いま一つになってしまったようにも思われます。
歌手として初出演のビートたけしの「浅草キッド」、タレントのMattのピアノ演奏をバックに歌唱した天童よしみ、AI美空ひばりの紅組出場、米ロックバンド「KISS」の登場、ユーミンの「ノーサイド」歌唱など、かなり豪華な アプローチは多々あったことも確かです。
それゆえに 個別の感動はあったものと思われますが、その一方で、逆にまとまりと決定力に欠けたようにも感じられました。
しかし、ラグビーを盛り上げた リトグリのド迫力の歌唱力に圧倒された方も多かっただろうし、各種チャートを席巻した初出場 菅田将暉の「まちがいさがし」も感動があったのではないでしょうか。
また 大きくイメチェンした氷川きよしが 大きな竜に乗って歌う限界突破な歌声とパフォーマンスで、紅白ならではのプロの醍醐味や、わくわく感を見せたとも言えます。
紅白歌合戦が 81.4%を記録した1963年は、ネットで情報が飛び交う今とは違い、テレビ自体も まだ普及していなかった時代だったかもしれません。
しかし、時代が変わっても 人を引き寄せる力が、歌と歌手にはある のだとしたら、歌で勝負する「紅白歌合戦」は 残って行けると思われます。ただし 紅白が 年末の恒例番組として 国民の支持を得ていくためには、改善していくべき課題も 多くあるといえそうです。