校則とは学生の身だしなみを正すことを目的とした学校ごとの規則ーー。
「髪を染めるのは禁止」「スカートはひざ丈」「ズボンを下げて履くのは禁止」
といった厳しさに違いはあれど、こういった校則が定められている学校は少なくありません。
今、ネット上で議論になっているのは、女子生徒の下着の色に関する校則。
浜松市立中学校全48校のうち、10校に下着を白色などに規定する校則のあることが、
浜松市のトランスジェンダー(TG・心と体の性の不一致を感じている人)当事者らで作る「浜松TG研究会」の調査で明らかになったのです。
女子生徒のポニーテール禁止を定めた校則もあったため、
同会のメンバーらは「人権侵害だ」と批判しており、ネット上でも非難の声があがっているといいます。
研究会代表で同市天竜区の鈴木げんさん(当時45)が、
情報公開請求などで行った調査の結果を発表したところによりますと、
市内全48校で制服、30校で頭髪をそれぞれ男女別に厳格に規定していました。
具体的には、女子生徒が髪の毛を縛る高さを耳の下にすることを定める校則が6校あり、
ヘアピン留めを不可とする校則が1校にあったといいます。
女子に対し厳しい規定を設けた理由は明確にはなっておらず、
浜松の市立中卒の女性は「(うなじが見える)ポニーテールや(透けた場合に)黒色の下着は男子生徒の欲情をあおるからではないか」と推察しているとのことです。
また、制服では、男子はいわゆる「学ラン」と規定した校則が46校、
ブレザーが2校、女子はセーラー服とした校則は45校、ブレザーは3校でした。
女子がズボンを選べる学校は1校だけだったこともわかっています。
他の自治体では女子生徒が制服にズボンタイプも選べる事例もあり、
これらはメリットとして、性的少数者への配慮のほか、寒さや動きやすさなどが挙げられます。
浜松TG研究会のメンバーは、スカート、ズボン、ジャケットなどの「基準服」の中から生徒自身が組み合わせを選べる仕組みの導入を求めて、近く要望書を市教育委員会に提出するとのことです。
これに対して、市教委は「制服の見直しは各学校の状況の中で検討していくもの」とした上で、
「見直しの際には多様性にも配慮した視点が必要だ」との考えを示しています。
いくら校則とはいえ、下着の色を指定されるというのは気分のいいものではありません。
思春期の学生らであれば、なおさらそうだと思います。
正しい知識によって、本当に生徒たちのためになる校則を定めてもらい、
生徒たちには快適な学校生活を送ってもらいたいですね。
これら一連の報道に、ネット上ではこんな意見が寄せられています。
「黒色の下着は男子生徒の欲情をあおるからではないか」と推察する。
白の下着に欲情をあおる大人もいますが?どちらにせよ根拠が明確でない校則は学校、生徒、保護者を交えて、時代にあった内容にしていくべきだと思います。」
「中学校の入学式で愕然とした。ルールとしては事前に髪型や長さの規定を知ってはいた。しかし全員が同じ髪型になった女子を実際に見たら異様に感じた。入学式の一ヶ月前までは小学生だった彼女たちは、それぞれ個性ある髪型をしつつも、学生らしさを逸脱した子なんかいなかった。それが中学校に入った途端、同じ黒ゴムで同じ位置で同じ形に髪を縛り、ソックスの色も位置も同じになり、一挙に見分けがつかなくなった。これを見て違和感を感じずにいるか、または、感じた違和感を抑え込めないと、中学生や中学生の親としてやっていくのは難しいのだなと思った。」
「私立なら嫌なら入らなければいいが、市立なので選択肢がない子も多いと思う。
全国的に見ても厳しい過ぎる校則を強制されるのは問題がある。校則を決めるのが学校ごとであることが原因であるので教育委員会で指針を出したりすれば良いんじゃないかな。」
などのコメントが寄せられていました。
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