食の安全が揺れる中国では、食に関する不祥事がたびたび取り上げられ、一向になくなる気配がありません。11月28日付の「中国経済網」などによると、江蘇省南京市江北新区にある老舗餡入り白玉団子店で、客が残した白玉団子を再利用し、提供していたことが明らかになりました。
中国では以前にも、同様の事件が起きており、ある火鍋チェーン店では、客が残した具材は水洗い残ったスープをろ過し、再利用した「唾液スープ」を提供していたのです。その店は店員による告発で発覚しましたが、似たようなケースはこのところ中国各地で多発しているようです。
また、中国の「四川」や「重慶」の料理だった火鍋は、庶民食として中国全土に広がったようで、もともと四川や重慶の家庭においては、具材やスパイスの味が染み出た料理の残りスープを再利用する習慣があったので、罪悪感も小さいと言われているそうです….。
そんななか、今回は「唾液スープ」ではなく、「唾液白玉団子」が提供されていたのです。現場を目撃した隣接する飲食店が通報しましたが、当初、店主はそれを否定。ところが監視カメラの映像には、再利用する作業の一部始終がバッチリと映っていたのです。
10月2日夜11時5分頃、店主は、客が食べ残した白玉団子をひとつのお椀にまとめると、作業台の上に置き、外に誰もいないことを確認すると、まとめておいた白玉団子を鍋に入れ、さっとゆでたのです。さらに約30分後にも再び同様の「再生作業」を行っていることが映像に捉えられています。
このようにして「唾液白玉団子」が提供していたことがわかったのです。30分もの間に2回も行っているということは、常習犯としか思えません….。実際、江北新区管委会市場監管局によると、この店は6月と9月に同様の容疑で通報されていたのですが、証拠不十分で罪には問われなかったようです。
店主の主張では、「ゴミの分別のため、ボウルに移しておいただけ」と説明していますが、映像に証拠がおさめられているため苦しい言い訳は通じず、ついに営業停止処分を受けることになりました。
この店の白玉団子は1杯5元(約78円)と格安のため人気だったそうですが、今回の事件が発覚したことで、今後の営業再開は難しいでしょう。また、冒頭でも記載したように中国では、飲食店で客が残した火鍋のスープを別の客に出す再利用行為などが各地で頻繁に行われているようです。
これまで明るみになった事件はほんの一部なのかもしれません…。気を付けようがないですが、口コミなどで安心できる店を選ぶしかないですね。