女優・沢尻エリカさんが合成麻薬MDMAを所持していたとして麻薬取締法違反の疑いで逮捕された件で、来年放送予定だったNHK大河ドラマ『麒麟がくる』は再撮のため初回放送日を延期するなど、多方面に影響が出ています。その一方で、早くも沢尻さんの復帰を待ちわびる声が上ってはいますが、世間との温度差も際立っています。
11月27日付の夕刊フジにでは、「沢尻は、酒井法子と同じように、アジア諸国で人気が高いのです。日本での需要がなくても、アジア諸国を回れば、まだまだ引く手あまたになることは間違いない」と、芸能文化評論家の肥留間正明氏によるコメントが掲載されています。
沢尻さん・酒井さんの人気度、芸能市場の大きさからしても「アジア諸国」と言われるのは、中国。しかし、現実はそう甘い話ではなさそうです….
。酒井さんは2009年に覚せい剤の所持・使用で逮捕され、日本の芸能界では活動休止に追い込まれました。ところが、2011年、のりピーファンも多い中国で政府主催の違法薬物防止キャンペーンで禁毒大使に任命されるとメディアへの出演を活発化させたのです。ここ数年でも中国・台湾・香港など中華圏を中心にコンサートやディナーショーを行っています。
一方、沢尻さんも中国での人気ぶりでは、酒井さんに負けてはいません。2005年に出演したドラマ『1リットルの涙』(フジテレビ系)が中国でも放送されたことをきっかけに中華圏で沢尻ブームが。非公式ファンクラブ「沢尻会」の会員は1万人を超えているというのです。しかし、中国の芸能関係者は沢尻さんが酒井さんのように沢尻さんが中国進出できるかといえば、そうはいかないと指摘しています。
なぜなら、中国が酒井を受け入れた時とは時代が違うと…。2018年、国内に蔓延する違法薬物の一掃を掲げ、目下、麻薬取り締まりを強化している習近平政権。2014年にジャッキー・チェンの息子、ジェイシー・チャンが大麻使用の容疑で中国当局に逮捕されました。ジェイシーは北京市内のマンションで大麻100グラムを所持。自身での使用のほかに売人疑惑も持ち上がり、死刑の可能性を指摘するメディアもありました。
しかし、わずか6カ月の実刑判決が下され、これには『親がスターだと違法薬物をやっても刑罰が軽くなるのか』との不満の声が上がりました。これにより中国人民は司法不信を一層深めることとなったようです。さらに、薬物乱用に対する中国の世論も、以前より厳しくなってきていると言われています。中国は、もはや前科者芸能人の再生の場所ではなさそうです…。
また、最近では、酒井さんの中国での活動に関しても『日本で仕事がなくなったから、中国で出稼ぎしてるようにしか見えない』『中国では違法薬物に関われば死刑になることもあるのに、そうした人間が芸能活動するのには納得がいかない』『中国を違法薬物中毒者の復帰の場に利用するな』などの批判の声がネット上にあがっています。そんななか、中国人民が沢尻さんを受け入れるわけもなく、復帰は難しいのではないと思われます…。