インド北部にある、ウッタルプラデシュ州の村で生後8日の女の赤ちゃんが生き埋めにされているのが発見されました。
インドでは男女両性の不平が根強く残っていることから、特に女児に対しての違法な中絶が問題視されています。
墓地に生き埋めにされた赤ちゃん
赤ちゃんを発見したのは、ある1組の夫婦でした。
その夫婦は自分たちの子供を出産後すぐに亡くし、埋葬しようと墓地を訪れていました。
夫婦が地面を掘り始めたところ、すぐに赤ちゃんの泣き声が聞こえたと言います。
そして掘り進めて60センチから90センチほどのところで壺に入れられた女児を発見しました。
夫婦はすぐに墓地の警備員に通報し、赤ちゃんは近くの病院へ運ばれました。
赤ちゃんは感染病にかかっており、体重は1500グラムほどしかありませんでした。
また、呼吸に障害があり、人口呼吸器に入って集中治療室に入院することとなりました。
埋められて2〜3日経過?
発見された赤ちゃんは埋葬されてから2〜3日経過していたとみられており、医師は”奇跡だ”と生存を喜んでいます。
集中治療室に入院していた女児は、奇跡的な回復を見せ命の危機は脱したといいます。
男児を望む傾向が根強く残るインド
インドでは女性の数が減少しています。2011年の国勢調査では男性1000人に対して女性の割合は940人でした。
この背景には、両性の不平等が根強く残るインドでは男の子が望まれる傾向があり、女児に対する違法な中絶や子殺しが原因にあると言われています。
また、望まれず生まれてきた女の子は差別を受けることも少なくありません。
一家の大黒柱として望まれる男児に対して、女性は結婚時に高額の持参金を要することからも重荷とみなされています。
国連開発計画がまとめた去年の年次報告書によると、インドの男女不平等指数は151カ国中130位でした。
この指数は経済、教育、健康、政治の4つの分野のデータから作成されたものです。
残念ながら日本も151カ国中110位と、非常に低い順位にあります。
20人の赤ちゃんの遺体が発見されたことも
2017年には西部のマハラシュトラ州で20人近くの胎児がビニール袋に入れられて発見された事件もありました。
こうした違法中絶を根絶し、女児を救うためにも政府は取り組みを続けていますが、未だ根絶には至っていません。
警察は捜査を続けており、両親を突き止めることができれば、殺人未遂や児童遺棄の容疑で逮捕される可能性もあります。