26日の午後、茨城県かすみがうら市で急遽、市長が謝罪会見を開きました。その謝罪内容とは、25日に県内で起きた車が軽乗用車と正面衝突する事故で、助手席に乗っていた女性が車内に取り残されたまま、救助されることなく6時間以上たった後に発見されたというものです。
この女性は死亡が確認されていて、かすみがうら市・坪井透市長は、「普通乗用車と軽乗用車の正面衝突事故が発生し、傷病者1名を発見できずに搬送できなかった事案が発生いたしました。この度は誠に申し訳ございませんでした」と謝罪しました。現場の記者は「女性の乗っていた助手席側が、特に大きくつぶれているのがわかります」と事故の衝撃が大きかったことを伝えています。
衝突された車は原形をとどめないほど大破していて、救助された軽乗用車を運転していた男性はその後に死亡が確認されました。事故が起きたのは25日午前4時過ぎ、路面がぬれた左カーブの国道を走っていた19歳少年の運転する車が、対向車線にはみ出し、向かってきた軽乗用車と正面衝突しました。消防隊員らが出動し、横転し大破した軽乗用車の車内から、運転席にいた廣瀬忠昭さん(74)を救出したとのことです。
しかし、この時には、廣瀬さんの妻の多恵子さん(75)も助手席にいたといいます。隊員に救助されることもなく、約6時間半後の放置されたまま、土浦警察署に車がレッカー移動されてしまいます。その時に警察官が車内を確認したところ、うずくまるように助手席にいた女性を発見したということです。26日、市消防本部の片岡修次長は会見で発見できなかった理由を「トランク後部座席に荷物が散乱しているため、(一部荷物を)排除したということで、そこから再度検索、運転席から助手席を目視したが(女性を)確認できませんでした」と説明しています。
これには記者からも「散乱物かきわければ簡単に(女性を)発見できたのではないかと聞こえますが?」という鋭い指摘が入ります。しかし、この質問に片岡次長は答えられず、無言で返していてました。事故を起こした19歳の少年は、26日、過失運転致死の疑いで逮捕されました。警察の調べによると、酒を飲んで運転していた可能性が高いことがわかっていて、調べに対して容疑を認めているとのことです。
このニュースにネット上では「あってはならない事案だとは思います。が、消防隊員もいい加減な仕事をした訳ではなく消防隊員でも見つける事が難しい状態だったのではないかと」「責められるべきは 乗用車を運転していた運転手です」「やるべき事をしていなかったとの結論が出たのなら分かるが、ベストを尽くしたが発見できなかったのであれば、関係者の労をねぎらい、市長が遺族に陳謝するのでは無いか?」と、市長の責任のあり方に疑問を感じる声が寄せられています。