「るろうに剣心」といえば男性からも女性からも人気の高い漫画です。その人気から実写化されましたが、その時に主役である緋村剣心役を演じたのが佐藤健さんです。佐藤健といえば、「仮面ライダー電王」や「ROOKIES」、「メイちゃんの執事」に出演している俳優さんですが、その役作りのクオリティはどうなのでしょうか。
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まず、「るろうに剣心」の緋村剣心といえば、幕末に「人斬り抜刀斎」と言われていたほど恐ろしい剣の達人です。その剣術は一子相伝の飛天御剣流で、俊足の早業です。漫画では人斬り甚衛や御庭番衆、そして京都大火を目論むもう一人の人斬り「志々雄真実」などと対峙し、その度に人技と思えない剣技で相手を倒してきました。漫画では可能なアクションも実写版となると大変です。飛天御剣流は人より早い俊足やジャンプ力、そして、何よりも剣術が必要となります。それを実写でやってのけるとなると、殺陣を学び、ワイヤーアクションをしっかりとこなさなければいけません。
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今ではCGやスタントマンを使うことが普通ですが、実写版「るろうに剣心」ではそのようなことを一切していません。佐藤健さんは元々、運動神経も良く、特技がブレイクダンスでした。そのため、仮面ライダー時代もスタントを使わずに登場したりしており、子供の頃から少林寺拳法を習っていたようです。その腕前は黒帯とも言われています。そして、大河ドラマ「竜馬伝」に出演したことから「るろうに剣心」への出演が決まったようです。そして、出演が決まってからは殺陣の練習を磨き、まさに実写版の緋村剣心になりきっています。また、リハーサルを何度も重ねていても、いざ本番になると変更をする場合も多くあります。しかし、それでも佐藤健さんは変更にも柔軟に対応して、見事なアクションシーンとなりました。
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そして緋村剣心といえば、普段は穏やかで、一度戦いになると眼光を光らせる剣術の達人です。佐藤健さんはアクションはもちろん、演技でも剣心役にハマっていると言えます。剣心は普段は草食男子のようなひょろっとした中肉中背ですが、佐藤健さんもどちらかというと小柄でひょろっとした体型です。そして穏やかな視線で薫役の武井咲さんをを見る様子は普段の剣心そのものです。そんな彼が戦いシーンになるとスタントも使わずに剣心のアクションをこなすというのは並大抵の運動神経ではありません。ワイヤーアクションも釣り上げるだけなので、かっこよく動き回るためには体幹やバランス感覚が必要になってきます。
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しかし、佐藤健さんは全て自分でこなしています。そのため、どんなシーンも違和感なく見ることができるのです。そして、表情の変化にも注目です。佐藤健さんも戦いシーンになると穏やかな視線から、鋭い眼光に変わります。そのため、本当に漫画をそのまま実写化したかのようです。剣心の特徴である赤髪、頬の十字傷も似合っており、漫画好きの方からも「いい意味で裏切られた映画」と高評価です。
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このように、漫画の実写化というと「期待を裏切られた」、「漫画の方が良かった」、「実写にしない方が良かった」というものが多い中で、「るろうに剣心」は期待通り、もしくはそれ以上の映画となっています。そして、それができたのは主役である佐藤健さんのクオリティの高さです。演技はもちろん、剣心並みの運動神経でやってのけるアクションシーンは最近の映画ではなかなか見ることのない程の迫力です。それをCGやスタントマンを使わずに撮っているからこそ、期待を超えるアクション映画となっているのです。これを見ると、実写版緋村剣心は佐藤健さんにしかできないと実感します。それほどクオリティの高い役作りになっています。