好きな漫画の連載がストップしてしまうのは、悲しいものですし先が気になるものです。しかし、作者の強いこだわりや取材旅行、病気などの理由によりどうしても休載という連載漫画があるのも事実です。
白泉社から出版されている青年誌、ヤングアニマルで連載中の人気長編漫画、ベルセルクは休載が多いことでも知られています。しかしそのストーリーの重厚さと、画力の素晴らしさはダークファンタジー界では他の作品の追随を許しません。結果、ベルセルク休載が慢性的に続いています。
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1989年に連載が始まり、現在のヤングアニマルの前身である月刊アニマルハウスで当初はストーリー連載が始まりました。その画力の高さとストーリーの重さから本格的ダークファンタジーと呼ばれ、国内のみならず海外でも人気の高い作品となっています。物語は主人公であるガッツという大剣を持つ剣士と、その親友でありながら仇ともなったグリフィスとの対決をメインとしており、剣と魔法の世界を繊細に描写した絵柄と心を打つ台詞の多さに定評があります。 mu
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現在のベルセルク休載までのストーリー展開は、ベルセルク連載の中でもひとつの到達点をようやく迎えたものでした。連載開始から約20年以上経過してようやく、主人公のひとつの目的地である妖精島にたどり着いたのです。ベルセルク休載のたびにファンは本当にたどり着けるのか、と不安を覚えていましたが、2017年にようやく目的地に到着。コミックスも発売されるという順調な滑り出しであったところ、またも休載となってしまいました。 jp
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ベルセルク休載は、ファンによってヤングアニマルの発行回数と同時にカウントされています。主に巨大掲示板のベルセルク情報のスレッドにおいて計算されており、年々掲載率が下がっていることも知られています。作者である三浦建太郎氏もどうやらそれを気にしているらしく、「自分は連載20年目にしてようやく妖精島にたどりついたと言われていますが」と自虐ネタをコメントしていることもあります。 com
しかしベルセルク休載の間に、アニメ映画化や深夜アニメ放映などのプロジェクトが進むこととなりました。これまでのベルセルクの映像化作品は、1997年にはコミックスの初期部分を映像化したアニメ「剣風伝奇ベルセルク」のみだったので、ファンは映像化の動きがあることに非常に驚きました。
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やがて「ベルセルク・サーガ・プロジェクト」が結成され、2012年からは人気の「黄金時代」から「蝕」までを描くアニメ映画3部作としてベルセルクが制作され一般公開となり人気となりました。2016年からは、それまで一度も映像化されていなかった「黒い剣士編」や「断罪編」などが含まれる新しいアニメとしてベルセルクが放映されるなど、映像化では近年大活躍しているのです。2017年秋には、白泉社のイベントで作者・三浦建太郎氏が初の講演を行うなど、連載以外の部分において非常に活動が目立っているのが現在の傾向です。
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ヤングアニマルでは、「次回のベルセルクの掲載は冬頃を予定」と掲載がされていますので、連載が終了したのでは決してありません。おそらく順調に行けば、年に1冊ほどのペースでのコミックスの発売が行われるので、次回掲載された場合はある程度連載が続くことが予想されます。今後の展開に期待をしつつ、待つしかありません。
ちなみに連載された場合、ヤングアニマルは月に2度の発行ですが、ベルセルクの場合は月1度の連載がほとんどです。しかも、その掲載回のヤングアニマルはすぐに書店から消えることで有名です。それだけ期待しているファンが多いといいうことでもありますが、掲載回が購入できないと次の話までまたかなりの時間待機することになります。ファンは掲載情報とともにすぐ購入するのがおすすめです。