ルパン三世はモンキーパンチが1967年に原作者として手がけた漫画作品であり、同時にその漫画の主人公の名前でもあります。伝説的な怪盗であるルパン一世の孫、ルパン三世を主人公という立ち位置においたコメディやブラックジョーク、そしてアクションをふんだんに盛り込んだ作品となっており、漫画やアニメにおけるその知名度は日本中に知れ渡っているほどなっており、日本における国民的漫画・アニメ作品の1つとなっています。
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ルパン三世の初のテレビアニメ化がなされたのは1971年の時であり、現在においては劇場版アニメ化や多数のゲーム化、そして数年単位ごとのテレビスペシャルを通してのOVA化などといった形で作品は継続されており、実に40年以上もの長い年月を生きたコンテンツとなっているのです。そんなルパン三世は大半の方がアニメ、もしく漫画のイメージを抱いていることかと思いますが、ルパン三世は実写化や舞台化もされているのです。
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ルパン三世が始めて実写化されたのは、1974年8月3日に公開された『ルパン三世 念力珍作戦』という作品です。公開日が1974年であり、ルパン三世がテレビアニメ化された3年後ということなので、国民的アニメとしての地位はまだ確立していなかった頃の初実写化でした。そして、2度目の実写化がちょうど40年後である2014年のことでした。ルパン三世役としての主演キャストに小栗旬を迎え入れ、ルパンの相棒役である次元大介には玉山鉄二、そして『ルパン三世 念力珍作戦』には登場しなかったルパンファミリーの頼れる剣豪にして初実写化の石川五ェ門には綾野剛、ルパンを巧みに誘惑しいつも美味しい所だけを掻っ攫う女泥棒の峰不二子には黒木メイサ、そしてルパン逮捕に執念を燃やす永遠のライバル銭形警部には浅野忠信をキャストとして採用し、加えて監督には北村龍平を起用したものとなっています。
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これらの実力者俳優たちが集結した2014年版の実写版ルパン三世ですが、原作者であるモンキーパンチやプロデューサーである山本又一朗は企画当初は実写化に関して否定的な意見を寄せていましたが、企画を立ち上げたKADOKAWAの池田宏之の熱心な説得に心を動かされ、実写化の流れが着実に進んでいったのです。また、監督である北村龍平も実写化の話を聞いたときはかなりの否定的な見方を寄せており、国民的な認知のある作品を実写化することの難しさが目に見えるようです。
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このように様々な否定な見方や難色の中で進められたルパン三世の実写化ですがキャスト陣の熱意や努力、企画側の原作を極力尊重し原作ファンを大切にしようとした作りが結果的に良い方向へと向うこととなります。主演である小栗旬は原作のルパン三世を演じきるために過酷なトレーニングを積んで8キロ近くの減量を行うといった役作りを行っており、さらに五ェ門役の綾野剛に関しては五ェ門を演じるために約10キログラムの増量という過酷な役作りを行っていたようです。
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そうした努力と熱意によって作られた小栗旬らの主演5人のキャストを見た原作者モンキーパンチは「まるでルパンたちが現実の世界に飛び出してきたようだ」といった好意的な感想コメントを寄せて絶賛するほどとなっており、原作者お墨付きの役作りとなることに成功したのです。こうして、実写映画ルパン三世を作り出す様々な人の努力が実り、2014年に40年ぶりに公開された実写版ルパン三世は8月30日に全国の307スクリーンで上映が開始され、その週の映画観客動員ランキングで初登場第2位という実績を残し、最終的な興行収入は24億5,000万円といった数値を記録するに至りました。