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「美少女戦士セーラームーン」といえば、90年代の少女アニメの金字塔です。アラサー世代の女性ならば誰もが知っているといっても過言ではないほどの大人気女子向けアニメですが、ファンは必ずしも女性とは限りません。当時は、現在でも爆発的な人気を誇るアニメが多数配信されていて、いわば大豊作時代でした。その中でもひときわ高い人気が集中したアニメがこの「美少女戦士セーラームーン」です。
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アニメ放映、漫画連載がほぼ同時期に開始されたため、テレビ画面ではアニメを見ながら雑誌で漫画を読むという女子がたくさんいました。主人公である「月野うさぎ(セーラームーン)」のキメ台詞、「月に変わってお仕置きよ」は、多くの女子が真似をしました。ちなみに、現在でもアニオタアイドルが時折使用することがあります。
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この頃、世の中は「女子高生ブーム」が起こっていて、ミニスカの女子高生が時代の主役かのような状態になっていたため、このことが理由でセーラー服を着た女子高生が活躍するアニメがつくられたという印象を持った人も多く居ましたが、実際には少々状況が違います。この作品は、いわゆる「スピンオフ作品」であり、原形は別の作品です。
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ただ、「女性のみで構成された船体ヒーロもの」のアニメは非常に珍しく、連載開始時点ですでにアニメかが前提となっていて、さらには玩具かも検討されていたためにキャラクターデザインなどには多くの人が関係しています。女性が主人公の作品でありながら、ラブコメや空想ファンタジーではない作品ということもあってか、女子のみならず男子からも好評でした。また、一部に性的マイノリティへ触れる描写が見て取れますが、ある意味では時代を数歩先取りした感性を持った作品だったといえます。
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すでにアニメ放映から30年近い年月が経っていますが、2017年に25周年記念イベントが開催されています。アニメ放映が終了した後も人気は継続していて、世界中でアニメが放映されるなどモンスターアニメとしての実力をいかんなく発揮している状況が続いています。そして、25周年イベントの一環として「ガチャガチャ」などで関連商品が販売されています。
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アニメ放映当時、まだ幼い少女だった人たちも今やアラサーとなり、当時は買ってもらうことができなかったおもちゃが自由に買える状況に変化しています。本来、女子向けの作品であるはずが、現在は主にアラサー女性が主な購買層となっている節が否定できません。しかし、それゆえに多種多様な年代をターゲットに商品を販売できるため、人気が幅広い世代に広まっています。
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作品自体は最近も放映されるようになったため、今現在幼稚園や小学生の女子も作品に触れることができます。そして、作品のファンになって関連商品が欲しいと思うようになっていきますが、その時に親世代となるのがちょうど世代だったアラサー女性なので、親子で感情を共有することができます。それにより、親子仲良くセーラームーンのファンになるといった図式が容易に成り立つようになっています。
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非常に上手なマーケティング戦略だと感心せざるを得ませんが、関連商品のクオリティも当時のそれとは明らかに変わってきているため、仮に当時の商品を大切に持っている場合でも改めてコレクションするだけの価値があると感じられる状況が多いです。
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さすがにアラサー女性が自分で使用するためにガチャガチャで商品を手に入れ、それを日常的に使用することは少ないものの、自身の欲求を満たしながら子供の欲求も満たしてあげることができることから、積極的にかかわることも珍しくありません。いずれにせよ、良作だったからこそいまだに高い人気があるわけなので、やはり「豊作年だった」というわけです。