xジャパンといえば現在も活動を続ける伝説のビジュアル系バンドです。リーダーのヨシキを筆頭に、メンバーによる激しいパフォーマンスと圧倒的な演奏力は、今も多くのファンを虜にしています。
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そのxジャパンに加入していたリードギタリストでカリスマ的な人気を誇っていたのが、ヒデです。ヒデはもともとxジャパンの中でもビジュアル面を担当しており、初期のアルバムのデザインなどを行っています。一時期は美容師を目指していたこともあり、奇抜な衣装も人気がありました。
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そんなヒデが死亡した、という速報が日本を駆け巡ったのが1998年でした。前年の1997年には東京ドームでxジャパンの解散ライブが行われ、ファンは悲しみに暮れました。xジャパン解散後、すぐにファンの前に姿を現したのはヒデでした。ヒデはxジャパン時代からソロ活動を行っており、順調な売れ行きを記録しています。これからはソロ活動でファンを引っ張っていくのではないかと期待される中での死亡でした。
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死因が縊死であることもファンを驚かせました。ヒデの死因が自殺である、ということはワイドショーで大きく取り上げられ、朝からヒデの死亡が大きく報じられました。ヒデの死亡と、xジャパンの解散。このショックに耐えられないファンが出現し始めました。そしてすぐに後追い自殺をするファンが出始めました。xジャパンのファンはもともと熱狂的であることが知られており、ライブ中では全員でジャンプをしたりするなど、連帯感も強い傾向がありました。それが悪影響を及ぼし、ヒデの死をきっかけに自殺するファンが出てしまったのです。
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当時ロサンゼルスにて音楽活動を行っていたヨシキがすぐに駆け付け、ヒデの死を確認しました。その際の気持ちは自伝にも書かれています。彼が死ぬわけないと飛行機内では思っていたのですが、遺体を見た瞬間、確実に死んでいるとヨシキは痛感し、号泣したと言います。ヨシキはすぐに記者会見を開くこととなりました。警視庁から正式に「後追い自殺を防いでほしい」という依頼もあったことから、自らが率先して後追い自殺を止めなければと思ったそうです。
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「僕はヒデの死が、自殺だとは思っていません。」ヨシキはその記者会見ではっきり述べています。ヒデの死因は確かに縊死でした。しかしギタリストである彼は肩や首の痛みに悩まされており、その緩和のため整体に通っていたことがわかっています。その際にタオルで首を持ち上げるのですが、遺体発見時の姿はその時の姿とほぼ同じものでした。首の牽引を自分で行おうとした際に、そのままタオルが首を締めあげてしまったのではないか。これは今でもファンの間で言われている話です。
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さらに、彼はライブでもヒデの部屋というパートを担当するほど、ビジュアルに凝った演出をすることも知られています。何らかの新しいパフォーマンスを思いつき、その実演中の事故という可能性も否定できません。大の酒好きで知られているヒデですから、朝の時間帯に帰宅ということも多かったそうです。最初の遺体発見者は、当時の彼の恋人だったそうですが、酔っていたヒデが誤って自分の首をタオルで絞めてしまったのではないかという見方は非常に強いものでした。
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xジャパンは彼を脱退扱いせず、今も正式なメンバーとして扱っており、ライブでは必ず彼の使用したギターが飾られています。彼のパートを継いだのは、生前に弟分として仲が非常に良かったルナシーのギタリスト、スギゾーが担当することになりました。彼にもっとも近いギタリストとして、xジャパンのツアーに参加しています。非常に大きい社会現象にまでなった死でしたが、それだけxジャパンの名前が世界的に広がるきっかけになる出来事でもあったのです。そして現在も、彼のソロ活動のリリース曲は人々に愛されています。