16日午前5時40分ごろ、大阪府吹田市の府警吹田署千里山交番前の路上で、「警察官が血を流して倒れている」と110番がありました。事件当時、交番に勤務する同署地域課の古瀬鈴之佑(こせ・すずのすけ)巡査(26)が男に包丁で刺されて救急搬送されましたが、意識不明の重体となっています。
犯人の男は巡査から回転式拳銃1丁を奪って現在も逃走しているとのことで、近くの住民からは不安の声が相次いでいます。また、大阪府警は同署に捜査本部を設置し、強盗殺人未遂容疑で捜査を始めています。
男の年齢は30歳くらいで身長170~180センチ、黒っぽいジャンパーを着用し、メガネと帽子をかぶっていたとの情報が入ってきています。この日午前4時15分ごろにも、特徴の似た男が交番周辺を歩き回る不審な男の姿が防犯カメラに映っていたこともあり、同じ男が事件に関与しているとして、府警はこの画像を公開しました。
交番には当時、古瀬巡査と上司の警察官2人が勤務していましたが、午前5時28分、約800メートル南の阪急関大前駅ホームの公衆電話から空き巣の被害を訴える110番があり、上司2人がバイクで出動しました。遅れて古瀬巡査が出動しようとした際、犯人に襲われたとみられます。また、空き巣被害の通報は虚偽だったことも明らかになっており、この事件は非常に計画的だったものとして捜査されています。
また、その後の情報によると、犯人の男は事件後の午前9時過ぎ、約4・5キロ北の商業施設「イオン北千里店」に現れ、右手に血が付いた状態で、エンジ色のジャンパーや黒色ズボンなどを購入したといいます。
大阪府警は男の顔画像を公開したことで、東京在住の30歳代の男の父親から「息子に似ている」との連絡もあったといい、さらには吹田市内のホテルからも「宿泊していた客に酷似している」と通報があったことを明らかにしています。府警はこの男が防犯カメラの人物とほぼ特定しながら捜査を進めている状態で、現場周辺に土地鑑があるとみています。
吹田市の千里山公園前の路上で、警官が刺され、実弾5発が入った拳銃が強奪される事件が発生しました。近隣住民の方はもちろん、兵庫県や大阪在住の方は用心するに越したことはなさそうです。犯人が一刻も早く逮捕されることを祈るばかりです。