通常であればみぞおちあたりにあるはずの胃が伸び切ってしまい、骨盤付近まで下がってしまっている状態のことを胃下垂と呼んでいます。主に痩せている女性に多いと言われ、病気には該当しないので、特に治療しなければならないということはありません。
写真:kizu-cure. com
たとえ自分が胃下垂になっていたとしても、特に目立った自覚症状がないと言われています。そのため自分が胃下垂になっていることに気づかないケースもよく見られます。しかし大きなストレスを受けるなどして、自律神経が乱れてくると、胃の機能も低下してくるので、それに伴い様々な症状が出てきます。起こりえる症状としては、胃もたれや腹部の張り、不快感などのおなか周りの症状が現れます。しかしおなかとは関係のない、めまいや倦怠感、肩こりのような症状があらわれる人も多く、個人によって起こりえる症状は異なります。
写真:motivation-up. com
自覚症状がないので気付きにくいですが、できることならば早目に気づいて対処したいところです。自分が胃下垂になっているかどうかをセルフチェックできる方法があるので、自分でチェックしてみると良いでしょう。もしも複数の項目が当てはまるという場合には、胃下垂である可能性が高いといえます。
写真:getnews. jp
胃下垂のチェック項目としてまず一つ目に挙げられるのが、食事をすると下腹が出るということです。胃下垂の場合には、本来みぞおちのあたりにある胃が、骨盤付近にまで下がってしまいます。そのため食事をしておなかがいっぱいになると、下腹が出てくるという特徴があります。もしも食後におへそよりも下腹部分が出っ張っているようであれば、胃下垂の可能性が高いといえます。また食後に下腹が出ることによって、おなかが突っ張るような感じがするといわれています。
写真:doctors-me. com
そして食後に胃もたれや吐き気などの違和感がある人も注意が必要です。胃下垂になると胃の消化機能が低下してしまうといわれています。そのため消化不良を起こしやすい特徴があります。消化不良によって胃もたれや吐き気が現れたり、げっぷがよく出るなどの症状も見られるケースがあります。
さらに胃下垂になると食べ物を消化することができないので、腸にも影響を及ぼすといわれています。これによって下痢や便秘などの症状が出やすいと言われています。また骨盤にゆがみがあることが多いと言われています。骨盤のゆがみによって腰痛を伴うという人もいます。
写真:web-medical01. com
胃下垂になりやすい人には特徴があるので、自分がその特徴にあてはまっているかどうかをチェックする方法もあります。まず一つ目にやせ形の人です。痩せている人が必ずしも胃下垂になりやすいというわけではありませんが、痩せている人は脂肪や筋肉が少ないためへ、胃を持ち上げる力が少なくなり、胃下垂になりやすいと言われています。
写真:tomy-blog13. com
そして猫背の人です。デスクワーク中心の仕事をしている人や、スマートフォンに夢中になっている人など、顔が前のめりになり、背中が丸くなりやすいという人は注意が必要です。この姿勢はいわゆる猫背という姿勢ですが、猫背は肋骨が広くなってしまうので、心臓や肺、胃などの内臓が圧迫されてしまいす。そして猫背とは反対の反り腰しの人もなりやすいと言われています。腰がそり過ぎてしまうことによって骨盤前傾になって、おなかが前に突き出すような形になり、胃が下がりやすくなってしまうといわれています。
写真:minari-media. jp
このような胃下垂かどうかを調べるセルフチェックを行って、自分が胃下垂ではないかと思うのであれば、なるべく早く医療機関で受診すると良いでしょう。それ自体は病気ではないので特に放置しても問題はないのですが、人によっては辛い症状が出る人もいるので、病院で相談することで症状が軽減されることもあるでしょう。