フォーマルとセミフォーマルは似ているようで実はかなりの違いがあります。そしてこれといった正解がなく難しいのがセミフォーマルなんです。
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フォーマルの方が堅苦しいというイメージがありますが、大きく分けて女性は2種類、男性は1種類で済みます。女性のフォーマルは昼はアフタヌーンドレスと呼ばれる肩や袖、足が露出していないロングドレス(テレビなどで見る、皇族が見に付けているワンピースドレスを想像するとわかりやすいですね)、夜は袖なしの背中が開いているデコルテの露出が大き目なワンピースタイプの華やかなロングドレスが正装です。男性は燕尾服が正装ですが、現在は夜ならタキシード、昼夜問わずならダークスーツに蝶ネクタイやシックなネクタイでも正装扱いとされてきています。
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問題はセミフォーマルです。フォーマルほど厳格に決められているわけではありませんが、決してカジュアルやラフな格好をしていいわけではありません。結婚式のゲストなどでお呼ばれされた際は大抵セミフォーマルを着ることが一般的なマナーとなっていますが、ドレスショップで販売されているドレスが全部フォーマル、セミフォーマルかといえば違います。親しい身内用のパーティードレスでしかなかったり、デザインによってはまるで夜のお店なドレスになってしまうこともあるのでドレスの選択には気をつけなければなりません。
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一般的にセミフォーマルはフォーマルほど厳格に決まりは無いけれど大体フォーマルといったあいまいな定義であることがほとんどです。例えばスカート部分では、ミニ丈は論外ですがフォーマルほどロング丈にはしない方がよりセミフォーマルらしい恰好になります。また、デコルテ周りもフォーマルほど昼夜と分ける必要はありませんが、昼はシックに、夜は少しゴージャスを意識した方がセミフォーマルといえるでしょう。あくまでガチガチに縛られていない程度のフォーマルと考えるのが一番近いのではないでしょうか。挙式に参列などの固めのシーンでもストールで隠しておけば肩出しのドレスでもマナー違反にはなりませんし、生地の質が高級なものであればひざ丈でも特に問題がないのがセミフォーマルです。
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ちなみに男性の方がセミフォーマルの定義は難しいです。おしゃれなスーツまたはジャケットにカラーシャツ、ネクタイが男性の場合の一般的な認識ですが、どこからがおしゃれスーツなのか明確には決まっていません。ただし男性の場合はビジネスで着る機会も多くあるためか冠婚葬祭で使い回せるブラックスーツでも十分セミフォーマルの場にふさわしい恰好になります。ネクタイやシャツの色を変更すれば使い回しが可能ですしマナー違反にもなりません。おしゃれなスーツにこだわりたいのでしたらカフスやドレスシャツなどを取り入れる必要がありますが、無難で構わないのでしたらブラックスーツを一着手に入れておくとフォーマル、セミフォーマル問わず使えるので便利です。
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男性は女性よりもフォーマルとセミフォーマルの境目があいまいです。フォーマルなブラックスーツだけで大抵の場は何とかなってしまうため、もしかしたら男性にはセミフォーマルウェアは存在しないのかもしれません。
ただし完全なフォーマルな場でない限り燕尾服は避けた方がいいでしょう。結婚式で親族などの身内側が着用するのがフォーマルウェア、ゲスト側がセミフォーマルなのが現在の一般的マナーとされています。親族でもない限り正装である燕尾服は着ませんし、逆にマナー違反になります。また、タキシードは夜のフォーマルウェアであり昼間に着るのはマナー違反です。衣装に自信が無い場合はブラックスーツにしておくのがいいでしょう。