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ウッチャンナンチャンのやるならやらねば!は非常に高い視聴率を誇っていたコント番組でテレビで現在大活躍をしている芸人が多数出演していた非常に人気の高い番組でもありました。ウッチャンナンチャンの2人の脚本も非常に素晴らしくこれまでのコント番組とはスケールが異なるもので、多くの視聴者を引きつけた人気番組でしたが、残念ながら番組の収録中に死亡事故が発生し、その後打ち切りとなってしまった番組です。
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ウッチャンナンチャンは当時非常にお笑いコンビとして高い人気を誇っており、また彼らが演じるコントもこれまでのものとは異なり非常に練り込まれた脚本とスケール感の大きさでこれまでの常識を覆す点が多く、ドラマの中にコントを持ち込んだような特異性がありました。そのため、ウッチャンナンチャンのやるならやらねば!は子供だけでなく大人も引きつけられるような番組として、高い人気を起こっていたのです。
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しかし、残念ながらこの番組でゲスト出演していた香港のロックバンドのボーカリストが収録の最中にセットから足を滑らせて転落し頭部を強打して昏睡状態となり、そのまま死亡してしまったと言う痛ましい事件がありました。その原因は結果的にはセットの不備であり安全対策の不足と言うことになりますが、その事件をきっかけにそのまま番組は打ち切りと言う形になり、番組の中心的存在であったウッチャンナンチャンはその後テレビ出演を控えると言う事態に発展しました。
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当時はコント番組が多くまた大掛かりなセットを利用した危険なものも非常に多かったのですが、死亡事故にまで発展したと言うのはこの番組が初めてということもあり、その責任について多くの関係者が追及を受けています。スタッフについても業務上の過失が問われ、結果としては不起訴と言う形になっていますが、番組の中心的な存在であったウッチャンナンチャンは活動を自粛し、しばらくの間はこのような大掛かりなコント番組は放送されなくなりました。
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従来は大掛かりなセットを利用し一見危険とも思われるコント番組が非常に多かったのですが、この事故をきっかけにテレビ業界ではこのような危険な事はあまり行われなくなりました。さらに撮影においても危険を伴う場合にはスタントマンを利用したり命綱をつけるなど安全対策に十分な配慮が行われるようになっています。これはコント番組だけではなくドラマの撮影などでも同様で、そのためこのような仕掛けを用意することが金銭的に大きな負担となり、従来のような大掛かりなセットを利用したコントはほとんど行われなくなっていたのが実態です。
その風潮はテレビ業界だけでなくメディア業界全体に現れており、従来は危険を伴うシーンなども非常に対応していた映画についても、このような危険なアクションなどを伴うものはほとんど撮影されなくなりました。そのため日本の映画は海外の映画に比べ派手さはなく、人間の感情に訴えるようなタイプのものが非常に増えてきた傾向があります。
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ウッチャンナンチャンのやるならやらねば!における事故は様々な悪条件が重なってしまったものではありますが、安全対策について軽視をしていた風潮が現れた結果として捉えられるものです。当時は視聴率を上げるために多くのテレビ局がより過激な演出を行おうとする傾向にあり、その演出において各局が競争のような状態になっていた時期でもありました。しかしその死亡事故を受けてそれぞれのテレビ局が安全対策の重要性を再認識し、またその影響についても痛感した問題でもありました。現在では危険な撮影を行う場合には安全対策が十分に行われており、また十分にリハーサルを行った上で収録されることが必須になっています。また、その影響で番組制作に多額の費用がかかるため、そのような演出を行わない番組作りが多くなっているのが実態です。