近年は東日本大震災の発生で甚大な震災被害を受け、地震に対しての備えや防災などの関心度が高まりました。
地震の厄介なところは、いつどこで発生するか予測がつかないことです。
たとえば、台風や火山噴火などの自然災害の予測はある程度、現代科学の力によって予測が可能です。
しかし、地震は世界最先端の地震科学力を持つ日本でも、予測は困難とされていて、東日本大震災はその典型的なパターンでした。
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いつどこで発生するか分からないうえ、巨大地震が起きれば国家を揺るがす甚大な被害に見舞われるため、発生メカニズムを解明して減災につなげようと、世界で日夜、研究が行われています。
この地震研究において、ある程度の発生パターンを予測する事は可能となっています。
たとえば、何年周期で巨大地震が起こっているかなどを、文献や地層などを調べる事によって、おおよその数値を割り出す事は可能です。
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また、複雑な計算などを瞬時に行ったりできる、スーパーコンピューターなどを活用する事で、これから起こる可能性が高いと見られている、巨大地震の被害予測などを出し、国によってシミュレーションなどが発表されています。
これらの研究結果により近い将来、発生が予測されている巨大地震が南海地震です。
南海地震は、過去に大きな被害をもたらしている巨大地震として知られており、その被害は文献などによって分かっています。
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過去に起きた南海地震の発生周期を考えると、いつ発生してもおかしくないとされている事から、国も警戒している地震です。
この南海地震の震源域は、紀伊半島から四国沖にかけてと広範囲に及び、南海トラフの断層がずれ動く事で発生する巨大地震です。
前回の発生は1946年に発生していて、100年~300年周期で発生し大きな被害を出していることが分かっています。
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南海地震は海溝型地震ですので、激しい揺れを引き起こすだけでなく、巨大津波も発生し沿岸部に数十メートル級の津波が押し寄せると、想定されています。
さらに厄介な事に、この南海地震に誘発されて他の地域でも巨大地震が起こる可能性が指摘されており、東海地方の相模湾沖から関東にかけての広い範囲を震源とする、東海地震も誘発される可能性があると考えられています。
東海地震が発生すると関東にも被害が及ぶ為、甚大な人的被害と経済損失が見込まれていて、最も警戒されている地震のひとつです。
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南海地震は過去にマグニチュード8クラスの巨大地震が繰りかえし発生していることから、国ではマグニチュード9クラスの巨大地震が起こると予測し、被害想定を発表しています。
その予測によると、静岡や高知などの広範囲にわたり震度7から震度6強などの強震が襲い、大阪や京都でも震度6クラスと想定されています。
また、沿岸部に襲来する津波の高さは、最大で32メートルもの高さになると予想されており、家屋の倒壊や津波による犠牲者の数は30万人を超える可能性が指摘されており、人的被害は東日本大震災の20倍近い数字となっていて被害は甚大です。
避難者数は500万人前後に及び、経済損失は220兆円あまりと天文学的な数値となっていて、経済マヒも考えられます。
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このような被害を少しでも軽減させようと、国や地方自治体では避難訓練や非常用食料のストックなどの、防災訓練や津波非難タワーなどの整備などを順次進めています。
また、発生を事前に予測して大きな減災につなげようと、観測も国や研究機関によって強化され日夜、観測が行われていて、予測につなげようと努力しています。
しかし、一番、被害を少なくするには一人ひとりの防災意識の向上が大切とされているので、各家庭でも防災用品のストックや避難訓練などには積極的に参加する事が重要です。