2017年度のノーベル文学賞は日系の英国人作家カズオイシグロ氏が受賞しました。毎年のように村上春樹さんの名前が挙がるのに、どうしてノーベル文学賞は授与されないのでしょうか。
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ノーベル文学賞とは?
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ノーベル文学賞は文学に親しんだアルフレッド・ノーベルの遺志により1901年から授与が始まりました。科学だけでなく文学も人類にとっては重要なものであるという位置づけです。基本的には素晴らしい作品の1つに焦点を当てるというよりも、創作活動全般に対して与えられるというものなので、作品が話題になったから即座に与えられるというものではありません。
ノーベル賞の選考は?
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また、ノーベル賞は選考の時点で生存している人物が受賞対象者となっています。これは、ノーベル賞が名誉のために存在するのではなく、人類のために貢献してもらうために賞金を使ってもらう、つまり「生きたお金としてもらう」ためというノーベルの遺志から来ています。授与式の時に亡くなっていたケースはありますが、基本的には授与式に出席することが義務付けられています。
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ところが、2016年のボブ・ディランのように、授与式への出席を拒否する、あるいは受賞を拒否するという例もまた見受けられます。長い間行われていることですから、色々あるのは当然ですが、やはり選考するアカデミー側としては気持ちよく受け取ってもらいたい気持ちは大きいようです。1964年サルトルが辞退した時には、非常な不快感を示したといわれています。
村上春樹さん・ノーベル文学賞は〇〇〇〇?
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村上春樹さんは権威的なものを非常に嫌っており、振りかざされる権威に対してはエッセイなどでも嫌悪感を示しています。また、自分が権威の側に立つことも信条として許されないようで、ノーベル文学賞におけるマスコミの取り上げ方に「正直不快でこの時期には海外へ脱出する。ノーベル文学賞なんてほしくない」とはっきりと言っています。
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ノーベル文学賞の選考の仕方などは極秘で、外国では賭けの対象になっていますが実際候補に挙がっているのかどうかは全く分かりません。よく「1番人気だ」などと言われていますが、勝手に予測されているだけなので、信ぴょう性はほとんどないといっていいでしょう。
彼が健康で亡くなりそうにないのも理由の1つ?
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村上春樹さんがノーベル文学賞を授与されないのは、彼が健康で亡くなりそうにないこと(先に高齢の作家に与えたほうが良いという気遣い?)と同時に「いらない」と公言していることから来ているのでないかと思われます。外国で広く読まれてはいるのですが、それだけに大衆的なイメージが先行しているのかもしれません。近年は政治や人権などのメッセージ性を含む作品を書く作者が選ばれる傾向があるので、村上春樹さんは少しイメージが違うとも思われます。