歌舞伎は江戸時代に始まる歴史ある演劇のため、家系までは馴染みがない人も。ドラマで人気の俳優が意外にも歌舞伎の家系に生まれていることがあります。時代劇を初めサスペンスや家族ドラマなどに出演しテレビでよく見かける市川海老蔵。彼は荒事を得意とする市川団十郎の家系です。荒事とは見得をきったり、花道を手足を大きく動かしながら進む飛び六方など豪快な演出が売りです。市川家と縁が深いのが松本家。映画からテレビドラマ、CMまで幅広い活躍をしているのが9代目幸四郎。
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屋号は高麗屋で、初代団十郎よりは若干生まれは遅いものの代々襲名され受け継がれてきた名跡です。その子息市川染五郎もドラマで見かけます。9代目幸四郎の弟である2代目中村吉右衛門は、現代劇の舞台にも挑戦し兄幸四郎とともに人気を博しています。倍返しのセリフで有名なドラマにも出演していた9代目市川中車こと香川照之は、歌舞伎役者のときと芸名を使い分けています。
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市川の名からも推察できる通り、団十郎一門との関わりが深い家系です。ただ家族の問題もあって長い間歌舞伎の世界と距離を置いていました。甥の市川亀治郎もクイズなど歌舞伎と関係が少ない番組に出演しています。歌舞伎役者というよりドラマや映画の俳優だと誤解される人として、2代目中村獅童が挙げられます。系譜からいうと初代中村吉右衛門の弟から下った家柄です。
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つまり9代目松本幸四郎とも血縁があります。一方でCMなどで活躍の中村勘九郎、七之助兄弟とも血縁があります。時に滑稽な役もこなす姿からは想像できません。モデル兼女優と結婚した片岡愛之助は、意外な経歴から歌舞伎役者になっています。元々両親が歌舞伎役者ではなく町工場を営んでいました。子役でドラマに出ていたところを13代目片岡仁左衛門に見出されます。そして仁左衛門の子秀太郎の養子に迎えられました。
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歌舞伎は全て世襲によると考える世間からみれば驚きです。アイドルグループの一人と噂になった尾上松也。端正な顔立ちで知られます。中村吉右衛門と並び称された尾上菊五郎らを支えた家系。これらの他にも若い歌舞伎役者が次々と歌舞伎の舞台だけでなく、現代劇やドラマ、CMで活躍しています。
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また歌舞伎の世界では世襲が一般的である点から考えると、ここで紹介した俳優の子息もやがて同じように活躍するでしょう。演技の基礎は幼少期から磨かれるだけに、容姿だけでない表現力も彼らの魅力といえます。