長い年月を経て夢を叶えたナルト、その傍に伴侶として寄り添う同期生のヒナタの姿は苦難に満ちた物語の締めくくりに十分すぎる幸福な光景でした。しかし連載当初からのファンはこの結末は意外だったかもしれません。
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そもそもナルトの恋人候補だったキャラクターは同じチームメイトであるサクラでした。成績優秀で見た目も可愛い彼女に連載初期の頃のナルトは惚れており、サクラを振り向かせるために気を遣っていたシーンがたくさんあります。もっともサクラはサスケに夢中で、連載初期はその恋模様が見所でもありました。
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その頃のヒナタは気弱な女の子で、いわゆるモブキャラでした。しかし彼女はナルトが里から嫌われている幼少時や下忍時代から彼に片想いをしており、彼を密かに応援する姿はまだ冷遇されていた主人公を見守るファンの心をあたたかくしてくれていたものです。そのひたむきな思いが彼女の支えとなり、第一部の見せ場のひとつである中忍試験では因縁があったネジとの戦いに奮戦しました。それは主人公のなかにあった「暗くて変なやつ」という彼女に対する印象を変えたほどです。
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もっともそれだけでは主人公の恋心は変わる事はありませんでした。その恋心がサクラからヒナタへと変わったきっかけは第二部の見せ場のひとつ、ペイン襲撃です。たった1つの術で里を壊滅させたどころか、主人公を敗北の瀬戸際に追い込んだペインを前にヒナタはナルトを助けるために立ちふさがりました。
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両者の実力差は言うまでもありません。しかしそれでも好きな人を助けるためにヒナタはペインに死を覚悟で挑みました。その直前に自分の恋心を伝えた彼女が倒れる様を見てナルトは暴走状態に陥ったのは別な話ですが、2人が寄り添うきっかけの出来事には変わりありません。
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この2人の結びつきが決定的になった出来事は第四次忍大戦です。多すぎる仲間たちの死と自分を庇ったせいで死んでしまったネジにショックを受けたナルトは戦意を喪失しますが、そんな主人公を叱咤したのは他ならないヒナタでした。「皆の死を無駄にしないように」とナルトの頬を叩き、立ち直らせた彼女にナルトは「お前が側にいてくれたからだ」と感謝しながら「この手を決して離さない」と手をつなぐヒナタに誓うのでした。そのシーンはヒナタの思いが報われた瞬間として有名です。
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本格的な2人の結婚までのいきさつは第四次忍界大戦が終わった2年後の世界が舞台の劇場版「THE LAST」で語られています。白眼を持つヒナタが月の落下をめぐるキーパーソンになった事でナルトはヒナタに対する関係を意識するようになり、結果として2人は結ばれる事になりました。「THE LAST」でもヒナタは一途にナルトを思っており、その証である赤いマフラーは象徴的でした。