現在ゴールデンウィーク期間に東京で開催されているLGBTイベント「レインボープライド」。LGBTをはじめとするセクシュアル・マイノリティの存在を社会に広め、「”性”と”生”の多様性」を祝福するイベントですが、今年で25周年を迎え最大規模になり、数多くの協賛企業が支援するイベントとなっています。ここ数年一気に認知度があがった”LGBT”という言葉ですが、その影響力はドラマにも波及しているようです。
昨年、田中圭が主演を演じ、男性同士の恋愛を描いた『おっさんずラブ』が爆発的な大ヒットとなったのが記憶に新しいと思います。ドラマの放送のたびに同番組のことがトレンド入りするなどSNSでも大変な話題となったこちらのドラマですが、今期もLGBTを主題にしたドラマが多くあるようです。
なんと今期は、LGBTがテーマとなったドラマが5作もあります。話題の5作はこちらです。
・『きのう何食べた?』(テレビ東京系)
・『家政夫のミタゾノ』(テレビ朝日系)
・『俺のスカート、どこ行った?』(日本テレビ系)
・『腐女子、うっかりゲイに告る。』(NHK)
・『ミストレス~女たちの秘密~』(NHK)
先日ツイッターの世界トレンド1位にもなった話題作の「きのう何食べた?」や、古田新太さんがゲイの教師役を演じていることで話題の「俺のスカート、どこ行った?」など大変話題をよんでいるドラマばかりです。
ですが、なぜ今、これほどLGBTをテーマにしたドラマが注目を集めているのでしょうか?
その理由として言われているのが「生きづらさ」です。LGBTとは、好奇の目、上から目線、微妙な距離感、露骨な特別扱いなど、生きづらさに直面している人がとても多いです。そんな中で自分らしく生きる姿が視聴者の共感を呼び、人々の注目を集めているのではと言われています。
今春最大の話題作となっている『きのう何食べた?』でも、二人はもちろんゲイなわけですが、40代の”ゲイカップル”ということにスポットライトを当てるのではなく、あくまでも描いているのは何気ない日常生活のみ。ただ2人の人間がかこむ食卓という点に焦点を当てられているということも含めて、LGBTはもちろん、それ以外の人々からも共感を誘っているのだと考えられています。
そしておっさんずラブの爆発的ヒットに隠れて、このLGBTを扱ったドラマブームは、実は一年前にすでに起きていました。LGBTをテーマにした作品は、昨年の上半期だけで、『女子的生活』(NHK)、『隣の家族は青く見える』(フジテレビ系)、『明日の君がもっと好き』(テレビ朝日系)、『弟の夫』(NHK BSプレミアム)、『半分、青い。』(NHK)、『家政夫のミタゾノ』など多くのドラマが放送されていました。
しかし注目を集めているLGBTのドラマですが、”LGBTのドラマ”と言われてピックアップされている時点で、LGBTのキャラクターが当然のように設定され受け止められている欧米と比べると、まだまだ特別な存在として扱われているのが現実なのだと思います。しかし、このような小さな一つ一つのステップがいつか”LGBT”などとピックアップされることなく社会に当然に馴染んでいる世界につながる道なのだと思います。