最も完成度の高い選手と呼ばれ、流れるような身体の動きが美しいロジャー・フェデラー選手。怪我や不調に悩まされることがあっても、常にテニス界のトップに君臨し続けてきました。
彼の姿に勇気をもらうファンも多いでしょう。天才的なまでに華麗なプレーの陰には、ストイックな精神と一流のラケットがありました。
■ロジャー・フェデラーのプロフィール
生年月日 1981年8月8日
身長 185cm
体重 85kg
国籍 スイス
出身国 スイス
右利き、バックハンド・ストロークは片手打ち
はじめてラケットを握ったのは3歳の時で、テニスをたしなむ両親にすすめられてのことでした。本格的に習い始めたのは8歳の頃で、地元のテニスクラブで腕を磨きます。
15歳にはスイスで18歳以下のジュニアチャンピオンになりました。世界を視野に、テニスに本腰を入れたのはそれからです。
■フェデラーが愛してやまないラケットたち
PRO STAFF 6.0 85
ダブルブレイド製法で作られたラケットです。二重構造の意味で、グラファイトとケブラーで編み上げた層とグラファイトのみで編み上げた層からなります。
反発力の強いラケットでありながら、ウッドの良さである打ち心地の良さを実現した革新的なラケットです。
Hyper Pro Staff 6.1 90
ダブブレイド製法の技術に新たにハーパーカーボン素材を混ぜ込んで作ったものです。当時は希少価値の高かったハイパーカーボンのお陰で、反発力がより強まりました。
ネジレ防止剛性も兼ね備えた”王者フェデラー”にふさわしいラケットと言えます。
PRO STAFF TOUR 90
フェデラーが3番目に選んだラケットは面が広いラケットでした。今までの85から90に変更した以外は、素材、構造ともにほとんど同じものです。
このラケットを使っているころのフェデラーは絶好調。他選手がフェデラーのショットについていけなくなることから「魔法のラケット」と言われました。
■フェデラーが使用するラケットのテンションは低め
テンションとは張力のこと。ガットのテンションは通常、40lbs（ポンド）後半から65lbs前後です。フェデラー選手の場合はメインが48.5Ibs、クロスが45Ibsと若干低めに設定されています。
テンションは、高いと球は飛びにくいけれどもコントロールしやすく、他方、低ければ飛びやすいがコントロールしにくいと言えます。
フェデラー選手の技術であれば低いテンションでもコントロールは十分ということでしょう。
■優秀な選手だからこそ、道具にも気をつかう
フェデラー選手の腕が超一流であることは誰もが認める事ですが、ラケットに対するこだわりもやはり一流です。フェデラー選手のラケットを高い技術で生み出してきたのがウィルソン社です。
現在フェデラー選手が使用しているラケットは「Pro Staff 97 RF Autograph」でこれもウィルソン社のものです。フェデラーが使用したモデルは売り切れ続出になるということで、彼の影響力の高さをうかがい知ることができますね。