老けた顔の外見ゆえに いじめを受けてきた中国在住の当時15歳だった少女は、遺伝子疾患による早老症で皮膚がたるんでしまっていたのです。多くの人の善意によって顔の形成手術を受け、新しい人生を手に入れ、少女が“奇跡”と語るニュースを『Mirror Online』『The Sun』などが伝えていました。
わずか 1歳で 皮膚がたるみ始め、物心ついた頃からいじめに…
遼寧省錦州市黒山県に住むシャオ・フェンさん(仮名)は、先天的な遺伝子異常を原因とする早老症「ハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群(通称プロジェリア、HGPS)」を患っており、15歳でありながら 60代の女性のような顔を持っていました。皮膚がたるみ皺が増え始めたのは、わずか 1歳の頃で、シャオさんは物心ついた頃からいじめに遭ってきました。
農業で生計を立てている父親のワンさんは、シャオさんについてこう語っています。
「 1歳頃から症状が出始めたシャオは、小学校になると児童の親と間違えられほど 症状が悪化してしまいました。学校ではいじめられて友人もおらず、ハトと遊んでいたくらいです。そんなシャオですから、セルフィーを撮ったことさえありません。中学を卒業してからはクラスメートに自分の顔を晒すのが怖いと言って、学校に行くことさえ止めてしまったのです。」
陰口をたたかれることなく、普通の生活を…
両親の心配をよそに 家に籠り始めたシャオさんでしたが、15歳になったのを機に ある行動を起こしました。中国で社会貢献活動に従事するフィランソロピストの郭明义さん(Guo Mingyi)に、藁にもすがる思いで手紙をしたためたのでした。
「私の夢はきれいになること。陰口をたたかれることなく、普通の生活を送りたい。」
そんなシャオさんの思いの丈を綴った手紙に心動かされた郭さんは、なんとか力になろうと瀋陽市にある杏林整形外科医院と交渉を開始しました。そして手術費用56000ポンド(約805万円)の70%を免除してもらうと、残りの30%は自らが運営する民間団体のクラウドファンディングサイトやマラソンのチャリティイベントなどを通して寄付金を集めました。point 169 | 1
こうして 2019年12月29日、7時間半をかけて シャオさんの顔の形成手術が行われ、たるんだ皮膚が切除されると 鼻や唇、眉毛の形が 整えられました。
同じ疾患を持つ母親の手術についても検討中
病院は、当時会見を行っており、シャオさんは 手術後の顔を初めてメディアに披露しました。
「新しい人生を与えてくれた病院のスタッフ、郭さん、協力して下さった皆さんに感謝します。早く学校に戻って、将来は医師か看護師として働きたいと思っています」と 感謝の気持ちを 述べました。
なお 病院側は シャオさんが今後の治療や教育に専念できるように手術費用の全額を負担すること、同じ疾患を持つシャオさんの母親の手術についても検討中であることを 会見で明かしており、学業においては 遼寧医学院高等職業技術学院が サポートを申し出ているということです。
新しいスタートを切ったシャオさんですが、医師は…
「シャオさんの症状は 皮膚だけで内臓の老化は見られませんが、新しい顔がもつのは 5~10年で、その後 再手術が必要になるでしょう」と語っており、今後も継続したケアが 必要ということでした。