去る17日、栃木県内五つの宿泊施設で今月、同じ名義人の宿泊予約が いずれも無断キャンセルされ、少なくとも計100万円以上の被害が出たことが 県旅館ホテル生活衛生同業組合青年部への取材で明らかになりました。
同青年部によると、無断キャンセルされた施設は、那須塩原市の塩原温泉郷で2軒、日光市の鬼怒川で2軒、那須町の那須高原で1軒。8月以降、いずれも電話で同じ名前で予約がありました。
予約日は4軒が 1月2日、1軒は 同3日。いずれも10人の宿泊予約があり、露天風呂付きなど 施設の中でも高額な部屋を予約していたということです。
同様の被害が5件確認
無断キャンセルされた 塩原温泉郷の旅館「湯守田中屋」が別の旅館に相談すると、同温泉郷内で 似た事案があることが判明しました。
予約者の名前や住所、電話番号、被害の状況などが一致したことから、同青年部が県内の宿泊施設に聞いたところ、15日時点で同様の被害が5件確認されたということです。
各施設は 昨年12月頃、予約確認の電話をしたが、「電話番号が使用されていません」との音声が流れて通じなかったのです。宿泊日の前に予約者の住所に宿泊確認の書類も郵送したが、「転居先不明」で返送されました。さらに 予約日以降も連絡がつかないという状況だといいます。
予約者を相手取った民事訴訟も検討?
予約は いずれも高級な部屋で、時期も正月だったことから損失は大きく、施設側は 既に警察に相談、予約者を相手取った民事訴訟も検討しているそうです。
湯守田中屋で無断キャンセルがあったのは、露天風呂付きの最高ランクの部屋で、正月だったことから 被害額は32万5500円に上るといいます。田中三郎社長は「お客様が来る可能性がある以上、連絡がつかないからといってこちらで勝手にキャンセルはできない」と肩を落とします。
5軒では今回、被害額が大きいことから 訴訟を検討中だそうです。被害を防ぐ方法としては 予約時の前金の支払いや 身分証の提示を求めることも考えられるというが、田中社長は「本来、そういうことはしたくない。無断キャンセルはしないでほしい」と訴えました。
最高ランクのお部屋の予約だけに、被害者側の衝撃が大きいとは思われますが、これを機に やはり前金の支払いや身分証の提示は、致し方ないのではないかと思わされます…