14日の夜、皇居・東御苑に特設された大嘗宮で、皇位継承の重要祭祀『大嘗祭』の中心儀式「大嘗宮の儀」が公的な皇室行事として営まれました。この儀式は、即位した天皇が五穀豊穣や国の安寧を祈るためのものとして15日未明まで続くなか、皇居に近い東京駅の丸の内側にある広場では天皇制に反対する市民団体が抗議集会を開きました。
14日の午後11時、皇居では、新しく即位した天皇が一代に一度だけ行う重要な祭祀(さいし)「大嘗祭(だいじょうさい)」の中心となる「大嘗宮の儀」が行われていて、天皇陛下は「悠紀殿(ゆきでん)」での儀式を終えられました。14日午後6時半ごろには、天皇陛下が「大嘗宮」に姿を見せられ、「大嘗宮の儀」のうち、「悠紀殿供饌(きょうせん)の儀」が始まりました。白い「御祭服(ごさいふく)」姿の陛下の頭上には、「御菅蓋(おかんがい)」と呼ばれる菅笠(すげがさ)が差しかけられ、歴代天皇に伝わる剣と勾玉(まがたま)を持つ侍従に続いて、ゆっくりとした足取りで「悠紀殿」に向かわれました。point 338 | 1
また、皇后さまも「帛御服(はくのごふく)」という白い十二単(じゅうにひとえ)姿で「帳殿(ちょうでん)」と呼ばれる建物に入り、午後7時ごろに拝礼を終えられました。その後、『御告文(おつげぶみ)』と呼ばれる神々への言葉を述べ、お供えした米などを、自ら口にされる『直会(なおらい)』を行った後、午後9時14分、悠紀殿での儀式を終えられました。この後、西日本を象徴する建物『主基殿(すきでん)』でも同様の儀式が行われ、すべての儀式が終わるのは、15日午前3時半ごろになるということです。point 293 | 1
すると、14日夜、天皇制に反対する市民団体「おわてんねっと」が大嘗祭への抗議集会を開きました。参加者は皇居に向かって「大嘗祭反対」「税金返せ」などと書かれた横断幕を掲げ「天皇制要らない」などと訴えました。同団体によると、集会には約150人が参加したとのことで、次々にマイクを握り「台風で被災した人が大勢いる。復興半ばなのに多くの税金が大嘗祭に投じられるのはおかしい」などと、大嘗祭に対する公費支出に対して指摘しました。point 263 | 1
この公費支出をめぐって、神道形式の大嘗祭が1990年に催された前回から、憲法の政教分離原則に反するとの批判が根強くありました。さらに、秋篠宮さまが53歳になられた去年11月にも、秋篠宮さまが大嘗祭の費用について、「天皇ご一家と上皇ご夫妻の私的な活動に使われる内廷会計で賄うべき」という見解や、「身の丈に合った儀式をすることが本来の姿ではないか」と持論を述べられ、物議を醸しました。しかし、政府は令和の今回も公的性格を認め、費用は皇室の公的活動費「宮廷費」として予算約27億円としています。この金額は、前回に比べて5億円ほど増えているとのことです。point 327 | 1
集会に参加したフリー編集者の60代女性は「生まれながらに高貴な人とそうじゃない人に分けられてしまう天皇制はおかしい。反対する人がいることを知ってほしい」とコメント。また、主催者の男性はマイクを持ち「たった一晩の儀式のために27億円もの税金を使い、巨大な神殿が建てられた」と訴えました。他にも、武蔵野市から来たという30代女性は「天皇制に反対する人は潜在的にいるのに、声を上げにくい息苦しい状況が生まれている」と語りました。point 265 | 1