党本部から「選挙資金」の金額をめぐって当選者側と落選者側の金額が10倍もの差があったことが判明し論争をまきおこしています!
選挙する側の立場・関係性が影響?
去年7月の参議院選挙で、初当選を果たした河井案里議員と夫の克行議員が 参議院選挙の前に 支部長を務める2つの自民党支部に、党本部から合わせて1億5000万円の資金が入金されていたことがわかりました。
関係者によりますと、参院選公示前の去年4月から6月にかけ、河井案里氏が支部長を務める党県参院選挙区第7支部の口座に自民党本部から3回に分け合わせて7500万円、克行氏が支部長を務める党県第3選挙区支部の口座に2回に分け合わせて7500万円が振り込まれたということです。
去年の参院選では自民党が21年ぶりに公認候補2人を擁立し、自民党県連が支援した溝手顕正氏と、党本部が擁立した河井案里氏らが激戦を繰り広げ、河井案里陣営は多額の資金を投じて選挙戦に臨んでいました。
一方、溝手氏側への党本部からの資金は あわせて1500万円なので、案里氏にはこの10倍に当たる資金が振り込まれていたことになります。
【河井案里議員】
(Q党本部から1億5千万円もらいましたか?)
「いただきました。政治資金報告書でもしっかりと記載して報告をしており 違法性はないものと考えております…」
この選挙をめぐっては、河井案里陣営がいわゆるウグイス嬢に法定の上限の倍となる報酬を支払った疑いがあり、先週、広島地方検察庁が河井夫妻の事務所などを家宅捜索しています。
一連の報道を受け、広島市の松井市長は…。
【広島市・松井市長】
「選挙する側の立場・関係性が影響しているので、適法・違法の問題ではなく、作戦とかあると思う。その部分はコメントしようがない」
落選した 自民党候補の支援者は激怒
しかし、同じ選挙区で落選した 自民党候補の10倍の資金が振り込まれていたことに、支援者は激怒しています。
溝手顕正氏の支援者(支援して32年)藤井啓文さん:「あまりにもひどすぎるよね。『新人だから倍』なら許容範囲かも分からないけど『10倍』はおかしい」
疑問が浮上したのは、去年の参院選で党から受け取った選挙資金。広島で出馬した自民党の溝手顕正前議員が もう1人の公認候補の10分の1にあたる1500万円しか与えられなかったというのです。もう1人とは、ウグイス嬢日当疑惑で揺れる 前出の河井議員。1億5000万円を受け取ったとされます。23日にこれを認めました。
自民党【河井案里議員】:「(選挙まで)わずか2カ月半の間にそういった活動をしなければいけない。党勢拡大をしていかねばいけないということで、短い期間の間に資金が集中したものと考えております。違法性はないものと考えている」
しかし、疑問の声は党内からも。
自民党関係者:「かけ離れた額だ」
自民党大臣経験者:「党からもらうことに何ら問題はないけど、問題は『使い道』でしょ」
10倍の一部はウグイス嬢の日当にも充てられたのでしょうか。党内のいざこざがあった可能性も。落選した溝手氏は以前から総理の批判などをしていました。
そんななか臨んだ参院選。当選枠が2しかないなか、自民党は2人を送り込みます。河井氏を推す菅官房長官と溝手氏を支援する岸田政調会長の代理戦争となったのでしょうか…